三笘薫、プレミアリーグ3年目の“今” 「転換期到来」の疑念は杞憂に「周りの人からは分からない」【現地発】
考えを改めさせられた三笘の“真価”
筆者は、まだ27歳と若い三笘だが、転換期が訪れたのではないかと考え始めていた。つまり、ドリブルで勝負するのは難しくなり、より効率を重視したプレーからエリア内に顔を出してゴールに絡む。理想で言えば、クリスティアーノ・ロナウドがウインガーからゴールゲッターに変わっていったように、よりゴールに近い場所で決定的な仕事をするプレーヤーにシフトチェンジしていく。でなければ、この先にプレミアで活躍するのが難しくなっていくのではないだろうかと、勝手に懸念していた。 ちなみにスポーツベッティングに特化した英サイト『ThePuntersPage』によれば、今季の三笘が仕掛けたドリブル数は82回あり、そのうち37回が成功。成功率にして約45%となっている。成功率こそ高くはないものの、回数はリーグ7位である。2シーズン前は、シーズンを通して112回も試みて、57回も成功。成功率は約51%だった。 前出のボーンマス戦後、三笘は次のように話している。 「まずは守備からしないといけないのはわかっていますし、アウェーでは特にそういうところあります。失点しなければ流れが来るのもわかってますし、もちろん今日は戦術的にも、より中のところのポジションがあったんで、開いてドリブルする回数は減りましたけど、そういう戦術のところもやっている。 周りの人から見れば、そこはわからないと思います。そういう監督の戦術を遂行していかないといけないんで、見てる人はもどかしいかもしれないですけど、僕のところではチームとしてやるべきことをやってるつもりです」 そして、2024年の最終2試合、ホームでのブレントフォード戦とアウェーでのアストン・ビラ戦で、自身の考えがまるで間違っていて、懸念が杞憂だったことが分かった。なぜなら、三笘に積極性が戻り、真価を発揮していたからだ。 まずはブレントフォード戦。三笘は左サイドでボールを受けては前を向き、ドリブルで前進する回数がここ数試合とは比較にならないくらいに増加。そして、対峙した右SBのマッツ・ルアスレウが、その仕掛けを嫌がっていたのは明らかだった。 試合後、ピッチで見せた変化について三笘は「コンディションも悪くなかったし、ボール受けた時にショートカウンター気味にスペースがあったんで、そこに入ることで、それが決まれば相手も怖いと思う。そういうプレーを毎試合やらなくてはいけない。そこからシュートを打ち切るところまでやらないといけない」と話している。 そして「積極プレーは監督からの指示か、自分で考えたところか?」と聞かれ、こう切り返している。 「(監督からは)何もないですよ。5試合で結果が出ないところで自分自身で考えたりもしていました。自分を見つめなおしたり、チームとしてやりたいことと自分がやらなければいけないことの区別は難しかったところはありました。良くも悪くも結果が最終的な判断になると思うので。結果が出ればOKだったのですが、それは次をやるしかないと思います」