「タニタ辞めて1000人を笑顔に」 あれから4年、まだ3人ぐらいだけど… 親会社を動かした小さな一歩
支えになった言葉
しっかり計画を立ててスタートしたものの、取材や執筆、編集は自転車操業。 当初は1日1本だった配信も、現在は2日に1本ほどのペースになっています。 ネタ選びから誤読しにくい表記の仕方まで、通常の記事作りとは異なる点が多く、外注しにくい現状もあります。 さらに、力を入れた「読んでもらいたい記事」の数字が伸びなかったり、ノリと勢いで書いたブログ風の記事が読まれたり。 「この書き方でちゃんと伝わってる?」と悩み、「リーダーとして的確に指示を出せている?」と不安になったことも。 出口の見当もつかないままトンネルを掘り進んでいるような感覚になったそうです。 「自分がしっかりしなくちゃ」と思うあまり、誰にも相談できない状態に。 そんな時に支えになったのが、記事制作に協力してくれている白鳥環さんの言葉でした。 「今はしんどいだろうけど、きっと何事もなかったかのように笑ってると思うよ」 アスリートのメディカルトレーナーとして活躍していた2021年に、視力のほとんどを失った白鳥さん。 落ち込んでいる須永さんにかけてくれたのが、先ほどの言葉でした。 また、こんな言葉をかけてもらったこともあったそうです。 「須永さんの目は、自分だけの目じゃないんだから」 取材を通じて自分の方こそ助けられたし、サイトの価値を感じたからこそ続けて欲しい、というエールでした。
応募した結果
再び前を向き始めたころ、偶然見つけたのが総務省の「情報アクセシビリティ好事例2023」の募集。 「アクセシビリティ」という単語で検索して見つけたもので、thousandsmilesで応募することにしました。 審査項目は、情報にアクセスしやすいように配慮されているか、当事者ニーズを踏まえて開発されているか、といった点。 サイトの良さをアピールすべく、必死に資料を作って提出。 4月に選定結果の発表があり、有名企業と並んで見事に選ばれました。 審査委員による講評欄には、こんな言葉が並んでいます。 「記事本文に簡単にアクセスでき、画面の構成が分かりやすい」 「視覚障害者、晴眼者の両方への情報提供サイトとして立ち上げており、今後記事作成の協力を当事者に依頼する等、当事者視点での情報提供に積極的である」