神奈川の企業倒産、1~11月で500件超える 10年ぶりの高水準「優勝劣敗が加速」
神奈川県内で今年1~11月に発生した企業倒産(負債額1千万円以上)が、前年同期比34件多い504件に上ったとのリポートを、東京商工リサーチ横浜支店が公表した。11カ月間で500件を超えたのは、平成26年以来10年ぶり。運転資金の需要が高まる年末や年度末にかけ、倒産の増加傾向が進む懸念がある。 11月単月の倒産は前年同月より4件多い49件。6カ月連続で前年同月を上回った。業種別ではサービス業ほか(17件)が最多で、建設業(10件)、小売業(7件)と続いた。負債総額は55億6700万円で、同29億200万円多かった。 負債総額を押し上げたのは鈴木農園(南足柄市)とグループ2社で、負債額は計15億8千万円。昭和32年創業で梅干し加工などを手がけていたが、安価な輸入品との競争や新型コロナ禍で土産物販売が落ち込んだことなどから力尽きた。 1~11月は新聞販売店の倒産が累計8件となり、平成7年以来最多となっている。一方、不動産業の倒産は平成元年以来初めて、6カ月連続でゼロだった。 今後の見通しについて、東京商工リサーチは「景気が拡大する一方、物価や金利も上昇している。新型コロナ対策の公的融資で延命した事業者が淘汰され、収益力の強い事業者との優勝劣敗が加速しそうだ」と分析している。