【定年後も働きたい】今まで働いていた職場の「子会社」で、「派遣社員」として働くことはできますか?
年金や貯蓄だけで老後を迎えるには、不安が大きいかもしれません。なかには、定年後も働きたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。 令和3年4月1日に改正された高年齢者雇用安定法により、就業意欲のある高年齢者の方が働きやすい環境が整いつつあります。定年後の働き方として、子会社で派遣社員として働くことを希望する方もいるかもしれません。 そこで今回は、定年後に同じ会社の子会社で働くことは可能なのかについて解説します。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
1年以内に離職した者は、1年間は派遣として働くことはできない
労働者派遣法の第40条の9第1項では、1年以内に離職した者を、派遣社員として同じ会社に勤務させることを禁止しています。これは、企業が正社員の賃金を削るために派遣社員として働かせて、労働条件を切り下げることを防止するためです。 間に別の派遣会社が関与したとしても、離職した会社への1年以内の派遣は原則認められません。なお、ここでの労働者は正社員だけではなく、非正規労働者も含まれます。雇用形態を問わず、1日でも雇われていた場合には対象者とみなされるため、注意しましょう。 派遣禁止の判断は、事業所単位ではなく「事業者(会社)単位」で行われます。 例えば「A会社B支店」で正社員として働いていた方が、離職後1年以内に「A会社C支店」で派遣社員として働く場合は「同じ事業者」になりますので、派遣禁止に該当します。このことから、違う企業であれば定年後1年以内でも、正社員から派遣社員として働くことは問題ないといえるでしょう。 なお、今回のケースにもある子会社とは、一般的には50%超の議決権(株式)を親会社に保有されている会社と定義されています。親会社と子会社は別の法人であるため、1年以内の派遣禁止は適用されません。関連会社も同様です。
定年後であれば派遣社員として働くのは問題ない
離職後1年以内に、同じ会社で派遣社員として働くことは禁止されていることが分かりました。 しかし特例として、60歳以上の定年退職者が再雇用で働く場合は「問題ない」とされる可能性が高いでしょう。そのため、定年前に働いていた会社であっても、60歳を過ぎた定年退職後であれば、1年以内でも働けることになります。