「私、おいしいもので失敗しないので」料理家が極めた、旅先でも絶対失敗しないコツ
〈おいしい大人の旅〉に出ませんか? 仕事も多少は融通がきくようになった、若い頃よりは少し余裕もある、コロナ禍も落ち着いた……。そんな今、「やっと旅行に行ける!」とウズウズしている旅好きおいしいもの好きな大人にとって役に立つ情報満載なのが、11月29日に発売となる料理家・arikoさん初の旅の本『添乗員ariko まだまだ日本のおいしい旅』。 【写真】arikoさんが出会った絶品うな重はじめ、たくさんの「おいしい」 arikoさんといえばInstagram @ariko418 としてフォロワー22万人を超え、女性誌のライターから、気づけば料理本を14冊も刊行するほど。「おいしい情報ならこの人に聞けば間違いない!」と信頼度大の料理家です。 「わたし、おいしいものを探すこと、出会うことに関しては絶対失敗しないので」と書かれているのが本書。おいしいものを食べること、作ることに並々ならぬ情熱を燃やしてきたarikoさんが伝える〈おいしい旅の組み立て方〉を、発売に先立ち、本書より抜粋の上再編集でお届けします。
旅の最大の楽しみも「おいしいもの」
この度、私の旅遍歴から特におすすめしたい場所をご紹介した初の〈旅の本〉を上梓することになりました。タイトル通り、私が添乗員となって旅の情報をご紹介した本です。 私にとって、ふだんのごはんと同様に、旅の最大の楽しみも「花より団子」、おいしいものとの出会いにあります。もちろん、素晴らしい景観に感動したり、名所旧跡を訪れて感銘を受けたり、美しい自然の中でリラックスしたり、温泉にのんびり浸かって身も心もふにゃふにゃになったり…… する時間も心地よいのですが、自他ともに認める食いしん坊な私にとって、旅の主役はやっぱり「食」。それ以外の要素は、旅先で出会うおいしいものをさらにおいしく食べるための前菜的な存在、などと言っていいのか悪いのか(苦笑)。とにかくその地で出会うおいしいものにワクワクする時間がたまりません。 旅先でのそうした“美食”はその風景や空気感と相まって旅の思い出をさらに印象深くしてくれるもの。美食といっても何も贅沢なものを言うのではなくて、佐賀・唐津の呼子のイカ姿造りの透明感のある美しさとコリッとした食感。長野・松本の全てにセンスが行き届いた空間でいただく絶品の十割蕎麦。石川・能登の木々に囲まれた素朴な宿の囲炉裏端で供される無骨なまでにシンプルな焼きおにぎりの香ばしさ…… それらのおいしさはどれもその場所の風景、空気感と味とが一緒になってインプットされているような気がします。