「私、おいしいもので失敗しないので」料理家が極めた、旅先でも絶対失敗しないコツ
「おいしい」に出会うために旅先で心掛けていること
私が旅先で心掛けているのは、いかにも観光客向けのお店やおみやげ屋さんではなく、地元の人たちにも愛されているお店を選ぶこと。郷土色豊かな名物と呼ばれるものでも、地元民ご用達のお店なら安心。そんなお店は余裕があり、一見の観光客にもやさしいことが多いのです。観光客向けにアレンジされたお店は微妙に「なんか違う」ものだったり、お値段が妙に高かったり、これじゃないんだなぁとがっかりさせられることが多々。もっとその土地ならではのリアルなおいしさに出会いたいと思っています。 旅に出ることが決まったら、まずはそこで何が食べられるのか、どのお店がおいしいのかを徹底的にリサーチします。「本当においしい旅」になるかどうかはもう、準備にかかっていると言っても過言ではありません。下準備なしにふらりと出る旅もときにはいいものですが、忙しい大人としては、限られた時間は効率的に使っておいしいもの巡りをしたい。 ネットなどで調べるのはもちろん、その場所に詳しい友人や食いしん坊仲間からの口コミも集めます。彼らからの信頼度の高い情報から旅行先を決めることも。ネットの口コミもチェックしますが、鵜呑みにはせず、参考にする程度にとどめておきます。もはや誰もが知っていることですが、グルメサイトのコメントは本当に玉石混淆。いわゆる点数も無条件に信じることはできないなと思っています。 むしろ、そこにある写真は嘘をつきません。SNSなどを含め、写真をたくさん見ることで、どういうお店が自分の感覚やセンスに合うのかがだんだんわかってきました。誰もがスマホで料理やお店の写真を撮る時代。そしてInstagramなどを通してたくさん見ている時代になりました。気づけば、自分がピンとくる一品はどういうものなのか、どんなセンスのお店が好きなのか、見る目が自然と養われてきていると思います。
グルメサイトよりも有効なこと
ひとつの方法としてですが、Instagramで関連ワードを入れて検索してみてください。写真がメインのInstagramはまさに百聞は一見にしかずで、自分の感覚にフィットするセンスの写真を見つけて深掘りすると「当たり!」となる確率はかなり高いです。全く未知の場所でのお店探しは、自分が好きな写真をまず探してみるのをおすすめします。グルメサイトに並んだあれやこれやのセールストークを読むよりも、写真だけで伝わる情報のほうが自分と相性のいいお店につながると思います。経験を重ねて、酸いも甘いも知ってきている(?)自分の直感を信じてみてください。 行きたいお店が決まったら、予約が必要なお店には事前に連絡を入れておきます。予約が取れないようなお店、麺類や定食屋さん、スイーツといったところはある程度目星だけつけておいて、実際に現地に足を運んでお店の佇まいに触れてから選ぶようにしています。好みに合ったお店に出会った時の喜びといったら! その嬉しさはひときわです。 大切なのは自分の好みに合っているかということ。人によっておいしいの基準、いい店の基準は違います。ここはおいしくない、店主が塩対応などとネガティブな口コミレビューがされていたお店だったとしても、それが自分に当てはまるとは限らないからです。書き込みをした側に問題があることもありますし、塩対応も理由があってのことかもしれません。口コミレビューは双刃の剣。薄目で見るくらい(笑)がちょうどいいと思います。 ◇26日はさらに具体的なエピソードをお届けします!
ariko(料理家)