生成AI導入者の半数近くがオープンソース選択、その理由が調査で明らかに
Linux Foundation Researchは「Linux Foundation Member Summit」イベントで、オープンソースと人工知能(AI)の関係を深く掘り下げた新たなレポートを発表した。両者の関係は、時にぎすぎすする場合もあることが知られている。 「Shaping the Future of Generative AI(生成AIの未来を形作る)」と題されたレポートは、Linux Foundation(LF)のAI&DataプロジェクトとCloud Native Computing Foundation(CNCF)が作成したものだ。その内容は、生成AIの未来を形作るのにオープンソースソフトウェアが不可欠であることを明かすものだ。その点は、私たちも痛いほどわかっているはずだ。実際、AIはそもそも、「PyTorch」や「TensorFlow」のようなオープンソースプログラムなしでは存在することができないからだ。今回のレポートはAIプロフェッショナル316人を調査対象としたもので、オープンソースと生成AIの大きな新トレンドを分析している。 平均では、生成AI利用者の41%が、AIをサポートしている自社のコードインフラストラクチャーはオープンソースだと回答している。生成AIの活用度が高い者になると、この割合は47%に上昇する。そして、「カーテンの裏側」にある、機械学習が大規模言語モデル(LLM)を生成するもともとの状況を見てみると、数字はさらに跳ね上がる。 これほど割合が高いのはなぜだろうか? オープンソースの生成AIソリューションを選んだ理由としては、半数近く(46%)の企業が費用効率を挙げた。オープンソースツールなら、前払いのライセンス料を軽減でき、さらにプロプライエタリーなベンダーへの長期的な依存度も下げられる。たとえば、「LangChain」や「LlamaIndex」のようなAIアプリケーションフレームワークであれば、企業はプロプライエタリーなソリューションにかかる費用の何分の1かでAIモデルの開発や導入を行える。 もう1つのコスト削減要因としては、クラウドネイティブ技術を利用してスケーラブルな生成AIプログラムを実行するケースが増えてきた点が挙げられる。例を挙げると、「Kubernetes」は、スケーラブルな生成AIのワークロードを調整できる主要なツールとして台頭している。生成AIの推論作業の一部またはすべてのホスティングにこれを利用している企業は、全体の50%に達している。 また、回答者の半分強(52%)は、ソースコードの透明性と信頼性がオープンソースの生成AIソリューションを選んだ主な理由だと述べている。こうした性質を持つおかげで、企業はモデルの動作の確認や潜在的なバイアスの特定、法令の確実な順守が可能になる。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。