メルセデス、トウの奪い合いで2台がバチバチ。ラッセル「ベストを尽くそうと熱くなってしまった」
F1スペインGPの予選で、メルセデスはグリッド2列目に2台を並べたが、Q2ではジョージ・ラッセルが無線で、チームメイトのルイス・ハミルトンへの不満を爆発させるシーンがあった。これについてラッセルは、ベストを尽くす上で「少し熱くなってしまった」と説明した。 【リザルト】F1第10戦スペインGP:予選 予選Q3最初のアタックに向けて、ラッセルはハミルトンの後ろについた。そしてアタック中のエステバン・オコン(アルピーヌ)が彼らの後方から迫った。 ラッセルは最終セクターで、オコンを妨害しないように注意しながら、メインストレートで彼のスリップストリーム(トウ)を使えるようにオコンをパスさせようとした。 しかし、前を行くハミルトンも同じ考えを持っていた。ハミルトンは最終コーナーの脱出速度をあまり落とさないようにオコンをパスさせるべく、ペースを調整していたのだ。ハミルトンとのギャップを十分に空けていたラッセルだが、これで前との差が詰まってしまいアタックに入るタイミングを遅らせざるを得なかった。 アタックを終えた後、ラッセルは無線で不満をぶちまけ、Fワードを使いながら「ルイスはあの準備ラップで何をやっていたんだ?」と訴えた。 ラッセルにとって幸運だったのは、最終コーナーの手前でカルロス・サインツJr.(フェラーリ)が追い越していったことだ。おかげでラッセルはサインツJr.のスリップストリームを使うことができた。 motorsport.comからその時何が起きたのか説明を求められたラッセルは、次のように答えた。 「ルイスは僕よりかなり前にいたけれど、ふたりとも同じドライバーのスリップストリームを狙っていたんだと思う」 「僕はオコンの邪魔にならないようにバックミラーに集中していて、次に前を見たときにはルイスが僕の目の前にいて、オコンからトウを得ようとしていたんだ」 「もちろん、僕たちはあの瞬間すべてをうまくこなそうとしていたから、少し熱くなってしまうものだ。でも得たものは何も無いし、失ったものもなかった」 Q3での2回目の走行でハミルトンとラッセルは、メルセデスのアップデートが着実に実を結んでいることを証明するような走りを見せ、2台のフェラーリを僅差で抑えてそれぞれ3番手と4番グリッドを獲得した。 ラッセルはわずか0.002秒差でハミルトンに3番手を譲った。フロントロウのランド・ノリス(マクラーレン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)には0.3秒ほどの差をつけられたが、決勝に向けてはタイヤのデグラデーション(性能劣化)がオーバーテイクのチャンスを広げるかもしれないと考えており、優勝を狙っていると語った。 「0.002秒というのは、ここ4レースの予選で僕と前のドライバーとのギャップで最大なんだ。そう考えるとクレイジーだよね」 「チームとしてポジティブに考えれば、僕たちは混戦の中にいる。ランドは本当に素晴らしいラップを刻んだ。ルイスと僕は完璧にはまとめられなかったと思う」 「あと0.2秒は上げられたと思うけど、ポールポジションが狙えるギャップじゃなかった。でも、それでも僕たちは3番手と4番手につけているし、明日は優勝争いができる絶好の位置にいる」
Filip Cleeren