「からだ全体がパンパンに腫れていて」爆発事故で亡くなった10歳息子...何年も受け入れられなかった母 福知山花火大会11年ぶり再開に「事故が二度と無いことを祈ります」
息子の空くんを亡くした山名さん。事故以来、花火大会に足が向くことはありませんが、再開には反対しないと話します。 (山名さん)「花火で亡くなったわけじゃないんですけど、再開されたとしても、もう亡くなった人は帰ってこないし、『もうニ度とこういう事故が起きないようにお願いします』としか、私たちからは言えないですね」
爆発事故以来11年ぶりの花火大会 当日
そして8月11日。爆発事故以来、11年ぶりに再開した花火大会。事故を伝える石碑に、大会関係者や観客らが花を手向けます。 露店の安全対策の最終確認も行われ、実行委員長の奥田さんたちは、消防の職員らと1店舗ずつ見回ります。 (消防職員)「ホットプレートとIHでよかったですかね?」 (店の人)「はい」 (消防職員)「すみません、ちょっと中入らせてもらいます」 露店が出る公園は河川敷からは離れていますが、打ち上げ時間が近づくにつれてにぎわいが増し、花火大会に華を添えます。
2000発の花火が夜空に 遺族「事故が二度と無いことを祈ります」
そして午後8時。 (観客らにアナウンスする奥田さん)「戻ることのないかけがえのない時間をかけて、今から僕たちは花火を上げます。懐かしい人を思うため、『今年も会えたね』と笑いあうため、そして『来年もまたここで会おう』と約束するために。・・・3、2、1」 打ちあがった花火に歓声をあげる観客たち。20分間で約2000発の花火が福知山の夜空を彩ります。 (観客)「この子たちが生まれた年に事故があって、この花火大会を見るのが初めてなんです。悲しいことがあった事故を忘れずに、ともに成長していけたらいいかなと」 (奥田友昭さん)「『久しぶりやな』とか『ただいま、おかえり』とか『わあ花火やな』という声が聞けたのでよかったと思いましたね。帰って来る理由ができたんちゃうかな、福知山の人にとっては」 息子を亡くした山名さんが会場に来ることはありませんでしたが、取材に対し、「にぎわいのある花火大会をこれからも続けてほしい」と話しました。 (山名さんのコメント)「息子も必ず上から見ていただろうと思います。いつかは空と一緒に花火を見に行けたらなと思っています。事故が二度と無いことを祈ります」 (2024年8月12日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)