テックドクターのプレスリリースより

いわゆるスマートウォッチなどの「ウェアラブルデバイス」の多くは、身に着けている人の心拍数や睡眠状態といった「バイタルデータ」を常に記録することが出来ます。 【画像】こんなに違う？実際の分析データをグラフで見る 株式会社テックドクター（東京都中央区）はこのデータを活用し、生理周期と心拍数の関係を調査。国際生理の日である10月19日にあわせて結果を公表しました。 詳細をプレスリリースをもとに紹介します。

研究は女性社員12人を対象に、2023年12月から行われました。 発表されたのは「生理周期と心拍数の関係」と「生理痛と心拍数の関係」についてです。

生理の終わりには心拍も穏やかに？

まず「生理周期と心拍数の関係」については、ある女性のデータを示し、月経期の始まりから終わりにかけて安静時の心拍数が下がり、卵胞期から黄体期に向かって再び上がっていくという、周期性がみられたとしています。 生理周期と連動するバイタルデータとしては、一般的に基礎体温の変化がよく知られていますが、テックドクターは「安静時心拍数も月経周期に関連した周期性がある可能性が示唆された」としています。

心拍数の変動幅と生理痛に関係アリ

もう一つの研究結果が「生理痛と心拍数の関係」です。 調査では、対象となった女性に月経期間中の痛みの感じ方を「全く感じない」から「非常に強く感じる」の5段階でアンケート。 複数期間の回答をもとに持続時間なども考慮し、痛みが強い人と弱い人に分けて分析しています。 その結果、痛みを感じる時期に心拍が上がるだけでなく、痛みが強い人は各周期における心拍数の変動が大きい傾向がみられました。

研究が広がれば、生理痛やPMSが解決するかも

テックドクターは「上述の事例はいずれも特定の個人のデータであり、あくまで一例に過ぎない」としたうえで、「より長期間かつ複数人のデータを分析することで、生理周期の傾向や痛み・辛さを把握できる可能性が示唆されている」と強調。 これらのデータを生かした「デジタルバイオマーカー」（指標）を開発することで、「月経前症候群（PMS）や月経困難症などの早期発見や適切なケアに繋げる」としています。