「子持ち様」批判は大間違い! 子連れに優しい社会は「独身者」にも優しい社会だ クルマ目線で考える
「子持ち様」が促す技術革新
どのようなジャンルであれ、モノを作り、世に送り出す場合、ターゲットとなるユーザーを意識せずに開発されることはない。「こういうニーズに応える商品」というコンセプトを設定し、ターゲットの年齢層や家族構成を考えることでプロジェクトは進んでいく。 自動車業界では、「子持ち様」がクルマを買う確率が高いので、自動車会社はファミリー層をまったく考えずにクルマを作ることはできない。 現実の世界では「子持ち様」は批判の対象になることが多いが、自動車業界にとっては好影響も与えている。子育て世代が求める安全性や市場価値を向上させることで、技術の進歩につながる。 また、運転支援システムや安全性の向上は、結果としてファミリー層に人気のあるクルマだけに搭載されているわけではない。 少子化社会では「子持ち様」と独身者の対立が深まることは否定できないが、先進技術は独身者に人気の車種にも浸透していく。 自動車産業の現状は、あらゆるライフスタイルや背景を持つ人々が恩恵を受ける形で共有されているのである。
中山まち子(子育てジャーナリスト)