「子持ち様」批判は大間違い! 子連れに優しい社会は「独身者」にも優しい社会だ クルマ目線で考える
ライフステージに応じたクルマ選び
ミニバンのターゲットである子育て世帯は、企業にとっては優良顧客だ。家族の人数が変わったときに、「今のクルマからミニバンへの乗り換え」に対応できるようなサービスが充実すれば、満足度は高まる。 子どもが生まれたり、第2子を妊娠・出産したりして家族構成が変われば、「今、自分たちに合うクルマ」も変わる。そんな節目にクルマの買い替えを検討する人は多い。 しかし、クルマは大きな買い物のひとつであり、そう簡単に買い替えられるものではない。自動車会社は「残価設定型クレジット」など、対象となる顧客のライフステージの変化に柔軟に対応できる支払い方法を用意している。 また、子どもを乗せて運転する場合、人は安全に対して敏感になる。走行中の衝突事故防止はもちろん、駐車場で子どもを誤ってひいてしまう痛ましい事故を未然に防ぐため、周囲に人がいないか確認しながら駐車できるシステムの需要も高い。 こうした顧客のニーズと期待に応えるために、自動車各社が主力のミニバンの安全性を高める改良と新技術の開発を続けるのは当然のことだ。 衝突軽減ブレーキや周囲の人を検知するセンサーなど、先進運転支援システム(ADAS)は、追加料金が発生するオプションではなく、新型ミニバンに搭載されるのが当たり前になった。
未来の自動車産業を担う子どもたち
「子持ち様」はクルマを買ってくれる可能性のある潜在顧客であるだけでなく、 「こんなシステムがあったらうれしい」 「ユーザーが求める安全性とは何か」 といったアイデアを与えてくれる、なくてはならない存在である。それだけでなく、「子持ち様」の子どもたちは、自動車会社の未来にも関係している。 世界各国で自動運転技術の開発が進んでいるが、こうした技術開発を担うのは若い世代だ。小学5年生の社会科の授業では、学校の授業や校外学習を通して、自動車がどのように作られているのかを学ぶ。 また、私たちが毎日乗っている自動車を身近に感じる機会にもなる。こうした学習を通じて自動車産業に興味を持った子どもたちは、次世代のクルマ作りに携わり、技術の進歩に貢献することになる。 「子持ち様」の子どもたちは、新たな購入者になるだけでなく、エンジニアなどとして自動車産業に携わるかもしれないのだ。