パンダジャーナリスト中川美帆コラム「シャンシャン、中国の雅安碧峰峡基地へ到着」
※本稿は2月27日公開「ジャイアントパンダ・シャンシャン特集 - Yahoo!ニュース」内コンテンツの再掲です。
ケガなく中国に着いたシャンシャン、早速タケノコを食べた
シャンシャンが中国への旅を終えました。2月21日午前6時13分に起きて、上野動物園を午前7時過ぎにトラックで出発したシャンシャンは、午前8時30分ごろ成田空港に到着。出国手続き中にもらったパンダ団子、リンゴ、タケノコをよく食べ、落ち着いていたそうです。 シャンシャンをのせた飛行機は、定刻の12時45分に飛び立ち、午後5時15分(日本時間で午後6時15分)に四川省の成都双流国際空港に着陸しました。入国手続きを済ませ、トラックで空港を出たのは午後6時50分。このトラックにはシャンシャンの写真がデザインされています。 トラックは山を登り、四川省にある中国ジャイアントパンダ保護研究センター(CCRCGP)の雅安碧峰峡(があんへきほうきょう)基地へ午後9時54分に到着。シャンシャンはケガもなく、ケージ(輸送用の檻)から出ることができました。 雅安碧峰峡基地はコロナ禍前、CCRCGPと協力関係にある世界の動物園からパンダに関わる研修者を受け入れていました。上野動物園のほか、神戸市立王子動物園の飼育係や獣医師もここで研修を受けたことがあります。 シャンシャンの最初の「住まい」は基地内の検疫施設です。この施設内は非公開。上野動物園から同行した職員2人(冨田恭正副園長兼飼育展示課長と飼育係の齋藤圭史さん)も衛生管理上、入ることができません。 シャンシャンは21日夜から22日朝にかけて落ち着かなかったものの、タケノコは食べて、午後には落ち着いてきました。22日にはCCRCGPと上野動物園の職員が打ち合わせを実施。シャンシャンの食べ物や飼育方法、性格などの情報を共有したそうです。ちなみにシャンシャンは「穏やかな性格」(上野動物園教育普及課の大橋直哉課長)です。 シャンシャンは22日夜から23日朝までにタケノコ8kgと竹5kgを食べ、23日夜から24日朝にかけてはタケノコ8kg、竹2~3kg、リンゴ300gを食べました。タケノコはパンダの大好物。冬は日本産のタケノコを入手しづらいですが、中国なら冬でもタケノコが採れます。