「Apple Vision Pro」に約60万円の価値はあるのか? 約4カ月間使って“後悔しなかった”理由
英語のみ対応がネックも、VisionOS 1.2で待望の日本語に対応
実際のところ、2月2日に購入してから6月までの間は、VisionOSが英語のみの対応、さらにはApp Storeも米国版のみしか使えないということで、Apple Vision Proも積極的に活用しているわけではなかった。 英語のみとなると、仕事で活用したくても、メールの返事も英語でしか書けないため、実用性がかなり低かったのだ。そのため、「MacBook Proと接続する」あるいは「映画やスポーツを大画面で見る」程度しか使えなかったのだ。 しかし、6月10日にAppleの開発者向けイベント「WWDC」の基調講演後、VisionOSが1.2となり、日本語が使えるようになった。メールの返信やWeb閲覧、原稿執筆などもやるようになった。日本語環境が整ったことで、ようやく仕事の道具として使えるようになったのだ。 さらに6月20日には日本のApp Storeがオープンした。これにより、日本市場にしか流通していないアプリもダウンロードして楽しめるようになった。早速、「TVer」をダウンロードし、ドラマ「古畑任三郎」を大画面で見まくっている。
「対応アプリの少なさ」「首への負担が大きいこと」が不満
Apple Vision Proは2023年に発表された際、「iPhoneやiPadのアプリがそのまま使える」という触れ込みであったが、実際にApp Storeを検索してみると、NetflixやYouTube、電子書籍系のアプリなどは出てこない。 恐らく、アプリ提供者側としても、動作検証などをしっかりと行ってから配布するというスタンスなのだろう。とはいえ、Apple Vision Proのユーザーはさほど多くないと思われるため、アプリ事業者としては「後回し」にしている可能性が極めて高そうだ。 アプリの拡充がApple Vision Proにとっては重要となってくるだけに、アプリ事業者には早急に対応してもらいたいものだ。 「対応アプリが少ない」という以外にも不満点はある。正直言って、デバイスがかなり重いのだ。目の前に装着しているため、とにかく首への負担が大きい。 実際、筆者も使用を始めて1週間ほどで肩甲骨あたりが痛くなり、3週間ほどApple Vision Proから遠ざかっていた時期もある。その後は、リクライニングチェアに座るなどして、極力、首に負担をかけないようするなどの配慮をしながら使っている。 既にApple Vision Proを使っている知り合いなどは、別に頭を支えるベルトや布を装着するなど、頭や首に負担がかからないよう、工夫している人も多い。筆者は2025年に50歳を迎えるということで加齢が原因であることは間違いないのだが、これから購入を考えている人も気をつけた方がいいだろう。