3231万8000円の超贅沢過ぎる移動空間とは? 新時代のベントレー・ベンテイガEWBはハンドルを握っても極上だった!!!
ベントレーはやっぱりドライバーズカー
ところが、首都高速2号線をちょいとばかしハイペースで走ってみると、ハンドリングのよさに爽やかな風が吹いた心持ちがした。ベンテイガEWBは新設計の後輪操舵と、「ベントレーダイナミックライド」なる足まわりを標準で装備する。後者はエアサスペンションに48Vのアクティブアンチロールバーを組み合わせたシステムで、アンチロールバーをわざわざ設けているのは脚のセッティングをその分、ソフトにできるからだろう。 タイヤは前後285/40ZR22という巨大で超扁平のピレリPゼロで、ということはスーパーカー用と思って間違いなく、さすがに低速ではタイヤの存在を感じる。22インチという大径の、40という超扁平で、最高速度240km/h超のカテゴリーのPゼロなのだからして当然だろう。ところが首都高速程度の速度、60km/h程度に達すると、フラットで、しなやかになる。 でもって、軽くアクセルを踏み込み、4.0リッターV8ガソリンツインターボを3000rpm以上まわしてやると、さすがポルシェ「カイエン」と同型ユニット、グオオオオオッという雄叫びを控えめに発しながら目が覚めるような速さを披露する。車重2.5t超の巨体が猛然と加速する。2000rpm以下のトルクも十分だけど、3000rpm以上まわしたときの爆発力もすごい。 内装も、試乗車の場合、シンプルに感じるけれど、白と上品なグレーの2トーンになっていて、ゴージャスである。これ見よがしのゴージャスさというより、シンプルに感じさせるところがすごい。 エクステンデッドホイールベースはウェルネスを重視したリヤシートテクノロジーを特徴のひとつとしている。とはいえ、このようなウェルネス(健康)についてはチョイ乗りではわかりはしない。筆者にわかったのは、それがショーファードリブンを意識したラグジュアリーSUVであれ、ベントレーはやっぱりドライバーズカーである、というそのことだったのでした。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)