なぜ台湾プロ野球は開幕できたのか?
また無観客と言えど試合となると放送関係者などを含めてかなりの人数の関係者がスタジアムに集結することになって感染リスクが増すが、タンパベイ・タイムズ紙によると、機構サイドは、「参加者を選手、チーム関係者、審判、球場従業員、チアリーダー、報道陣を含めて200人までに制限している」という。 またユニークな試みもあり、楽天が経営権を得た楽天モンキーズは、ロボットやマネキンを500体ほど客席に配備し、選手のモチベーションが少しでも維持できるような工夫も準備した。あいにく11日の開幕は雨で流れたが、複数の海外メディアは、無観客試合のデメリットをフォローする対策を取り上げていた。 この日、台湾のニュースサイト「The Taiwan Times」は「継続する新型コロナウイルスのパンデミックのために数週間日程が遅れたが、ついに日曜の夕方に台中でCPBL(台湾プロ野球リーグ)が開幕した。私たちの元に野球が戻り、台湾全土、そして世界各地のファンは、今年初の本物のプロ野球の試合を(放送を通じて)見ることができた」と誇らしげに伝えた。米のCBSスポーツは、「我々は有意義な野球の日曜日を得た」とし、前出の英国メディアは、「コロナウイルスのパンデミックで世界中のスポーツが休止に追い込まれている中、CPBLは、シーズンを開始した世界で最初の野球リーグとなった。各国のリーグは、今後、CPBLから何を学べるかを注意深く見守ることになるだろう」と紹介した。 台湾のプロ野球は、わずか5球団によるペナントレースで、規模や年間の試合数などは、NPBやメジャーリーグとは大きく違うが、今後も安全に推移すれば、新型コロナ余波の中で「プロスポーツをどう実施すればいいのか」のモデルケースになるだろう。来月上旬には、韓国プロ野球が開幕予定。5月下旬の開幕を目指しているNPBにとっても注目すべき動きだ。