間接業務の請け負いを伸ばして再成長 南部靖之・パソナグループ代表
── 淡路島に拠点を置く問題点はありますか。 南部 場所によっては携帯電話の電波が途切れるとか、島内の交通の便の悪さ、産婦人科が遠いとかいろいろあることはありますが、それぞれ改善に向かっています。 ── 成長が見込める(健康や幸福を意味する)ウェルビーイング事業を伸ばす方針だと。 南部 いわゆる「未病」対策などです。ファンドを作って新しい産業を創造しようと考えています。 ── 25年5月期決算の売上高で企業などの間接業務を請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業が初めて派遣事業を上回りました。「人材派遣のパソナ」から大きく変わったということでしょうか? 南部 BPOは米国で盛んだったので(日本でも広がると考えて)15年くらい前から力を入れていました。自治体から請け負っていこうとやり始めました。 ── 将来的な売上高の割合のイメージは。 南部 やはりBPOの方がこれから伸びるのではないでしょうか。 ── 株主還元について。福利厚生代行のベネフィット・ワン株の売却に伴う一時的な利益を踏まえて24年5月期から5年間、各期末に60円ずつの特別配当を決められました。 南部 配当は安定的に出していこうという考えです。これまでもすごく利益が出たからたくさん出す、あるいは利益があまり出なかったから出さないということはしていません。 ── 足元の業績で利益は踊り場のような格好になっていますね。 南部 ベネフィット・ワンを売却したことが利益に影響している。新型コロナ禍が収束して関連ビジネスが減ったということもある。これらに代わるようなものを考えていきます。BPO、ウェルビーイングで頑張っていきたいなと思っています。 ── 海外展開についてこう進めたいという考えは。 南部 当社はもともとあまり海外に力を入れてこなかったのですが、国際情勢をみると今、米国も中国も(積極的に打って出るのは)難しいと思いますね。