間接業務の請け負いを伸ばして再成長 南部靖之・パソナグループ代表
── パビリオンは完成に近づいていますが、大阪・関西万博に出展する狙いは。 南部 パソナグループは「いのち、ありがとう。」をコンセプトに掲げ、iPS細胞から作った「iPS心臓」などを展示します。人々が健康になる、自然を豊かにするためのテクノロジーの進化を実感していただけると思います。 ── 万博自体には何を期待しますか。 南部 阪神淡路大震災から30年の節目の年なので、関西がこれだけ元気になったよと報告する場でもあると思う。万博を通じて世界中に感謝の気持ちを伝えて恩返しをしたいですね。もちろん新たな関西経済の発展のきっかけになればいいと思います。 ── 本社機能の淡路島への移転から4年近くたちます。現状で本社機能1300人を含む約2000人、全体の5分の1が淡路島で働いているということですが、その効果をどう見ていますか。 南部 最初は総務、経理、経営企画といった管理部門だけ考えていたんですが、今では営業部門にも広げています。コロナ禍でDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んだおかげでリモートワークが可能となり、営業部門は約150人います。また、DX化が進んだことで本社機能人員は当初想定より15%ほど少なく済んでいます。 効果という意味では、東京では得られないような優秀な人材を、働く場としての淡路島で得られています。本社機能の15%程度は現地採用です。AI(人工知能)の人材もいます。介護離職されている方が神戸や四国にも多いのですが、この方たちが神戸から通う、あるいは淡路島に住んで週末家に帰るという形で働いています。 ◇淡路島勤務希望多く ── 淡路島へ移りたい希望者が社内に多いそうですね。 南部 多いです。住みやすく釣りやサーフィンなど趣味を楽しめることもあります。大阪や和歌山など近隣から移るのは禁止していたのですが、ちょっと窓口を広げようかと思っていますから、(移住が)増えてきますね。