imaseが自身初のアルバムを発売!『凡才』を透かしてみえたのは眩しいほどの可能性
歌詞や歌唱法のこだわりの秘密
――歌詞を拝見すると、英語詞はフレーズのみで、日本語をベースに構成しているように思えますが、歌詞を書くときのこだわりを教えてください。 日本語特有の音、響き、メロディーにおもしろさを感じていて。もちろん英語の歌詞もすごく素敵なのですが、僕がそれをやるとあんまりよく聞こえないように感じることが多いのと、日本語は韻を踏んで響きを良くしたり工夫ができるのが良いなと思っています。 ――それでいて、はっきりとした日本語に聞こえないような、独特な発音や歌い方をされていますよね。 昔の歌謡曲を聴くと、母音を柔らかく歌っている方が多い気がしていて。例えば、桑田佳祐さんや松任谷由実さん。多くの人に愛されている楽曲は、ハキハキとした日本語よりも日本語っぽくない柔らかい発音で歌っている印象があるので、とても参考にしています。また、そう崩した方が自分のトラックにハマりやすいと思っています。僕のトラックは洋楽っぽいサウンドも多いので、あえて崩した日本語をはめることでリズムが立っているのではないかと思います。 ――ちなみにカラオケでも同じように? カラオケは曲によって全然違うのですが、地声を張って歌うことが多いです(笑)。
imase「飽き性な部分がある(笑)」
――ジャケット写真やライブグッズを見ると一貫して可愛らしい印象で、飾ったり普段使いしたいなと思うものばかりです。クリエイティブ面にも関わっていますか? スタッフさんと話し合いながら制作しています。今回のアルバムに関しては、タイトルを漢字の「凡才」にすることでキャッチーでインパクトがあるなと思ったので、ジャケットは「盆栽」の植物感を表現できたら嬉しいと伝えさせていただきました。それで、松や梅のイラストを加えたアートワークが完成しました。グッズは、Instagramでファンの方にどんなアイテムが欲しいかを聞いて意見を参考にしています。 ――初の全国ツアー 『imase Tour 2024 “Shiki”』を終えたばかりですよね。そして、6月からは初のアジアツアー『imase 1st Asia Tour "Shiki"』、11月からはホールツアー『imase Hall Tour 2024 “Shiki-Sai”』の開催も決定していますね。今のお気持ちは? 今回のツアーは春夏秋冬を感じられるような演出にしました。四季折々の楽曲を意識しながらセットリストを組み、演出込みで四季を表現できたのではないかなと思います。また、初の全国ツアーだったので、これまで会えなかったファンの方にも会いに行けました。自分をより知ってもらえるような見せ方や、自分の楽曲をより楽しんでもらえるようなパフォーマンスを意識していたので、良いツアーができたのではないかなと思っています。 また、6月からのアジアツアーは、春夏秋冬を感じつつも少し海外に寄せた演出を考えているところです。それぞれの地域で初めてのワンマンライブになるので、ファンの方に会えるのがすごく楽しみですし、美味しいものを堪能したいですね! ――お話を伺っていると、やりたいことやアイデアが次々溢れ出てくるようなエネルギーを感じます。ご自身を俯瞰で見ると、どんな人間だと自己分析しますか? 曲作りをすごく楽しんでいたり、初めてのことに取り組むことが好きだったりするので、探究心が強いんだと思います。他にも、いろんなことに興味が湧いてきます。 ――1つのことにのめり込むけど突然飽きる、熱しやすく冷めやすいタイプもいますよね。そういうわけでは? 実は、そのタイプなんです(笑)。結構飽き性かもしれません(笑)。 ――なるほど(笑)。だからこそいろんなジャンルの曲が作れるのでしょうか? そうかもしれないですね。すごく細かいこだわりや自分ルールがあるというよりかは、今はいろいろと挑戦してみたいなという思いが強いです。 今や日本の音楽シーンに新しい風を吹き込む、期待の新星であるimaseさんの原動力は、探究心と好奇心。“imaseらしい音楽”は、耳と記憶に残る際立つ個性がありつつも、飾らず等身大で勝負しているからこそ多くの人を魅了するのかもしれない。“凡才なりの戦い方”をしてきたと言う彼の「今」がぎゅぎゅっと収録された1枚は、“天才”的な輝きを感じさせる充実のポップアルバムだ。日常に華を添えてくれるような新盤をぜひ手に取ってみて。