「仮想通貨」への投資はNG、“中3でもわかる”根拠、「余裕資金でちょっと買う」くらいにすべき
人は、誰かに何かしてもらったら、お返しをしないと落ち着かない。そういう心理トリガーがある。 詐欺師はきっと、君に何かものをくれたり、親切にしてくれたりするだろう。彼らは心理学を悪用するプロなので、心理トリガーなんて知り尽くしているからね。 ■モノの値段なんて「あってないような」もの 「アンカリング効果」というのもある。これは僕がインドでバナナを買ったときの話がわかりやすい。バナナの行商をしているかわいらしい子供が、僕に近寄ってきてこう言った。
「バナナを買わない? ひとふさで100ルピーなの」と。 当時100ルピーは日本円にすると約300円で、日本で買うより高い。そんなはずはないだろうと思って、僕はそれを半額の50ルピー(約150円)に値切って買った。インドでは価格交渉は当たり前だ。その子供はにっこり笑って商談成立だ。 しかし後日、当時のインドではバナナは1ルピー(約3円)で買えるということを知った。天文学的にぼったくられた。 この話で伝えたいことはこうだ。もしその子供が最初、10 ルピーと言ってきていたら僕は5ルピーに値切ることはできたかもしれない。最初が5ルピーなら3ルピーくらいにはできたかもしれない。しかし最初の価格提示が100ルピーだったので、それを5ルピーとか3ルピーに値切ろうという発想が浮かばなかった。これがアンカリング効果だ。
人の意思決定というのは、最初に提示された条件に大きく影響されるということ。100ルピーがアンカー(錨、基準点)になるんだね。正しい価格なんて、実は誰もよくわかっていない。いい加減な話だと思わないか? このように人間は正しい価格についてよくわかっていないし、もっと言えばものを買うかどうかの判断も、適当に感情で判断している。感情で決めて、あとから理屈で補っているんだ。 高級ブランド品を買う人の行動は、とても「よく考えて、論理的に判断している」なんて思えない。いつも行く焼肉屋さんで最後のロースを追加するかどうかの判断が、論理的だと思えるだろうか。