「マジか…」記者が震えた 2024年最も印象に残ったクルマの記事 3選
2:世界のトレンド? 「レトロ」デザインが大注目
【ルノーが1970年代風「2ドア・クーペ」発表 レトロな軽量スポーツカー、270馬力のモーター搭載】(9月5日掲載) クルマの見た目にこだわる人はとても多いと思う。僕も自動車デザインの話題は大好きだが、1年を通して最も強く印象に残ったのは「レトロ」という単語だ。ノスタルジックなレトロデザインは今や、1つの流派として定着しているようだ。 代表例の1つはフィアットの「500」だろう。近年では、ルノーも「5 Eテック」や「4 Eテック」といった新型EVでレトロモダンなデザインを採用している。ユーザー側の注目度も高いようで、ここに挙げた『ルノーが1970年代風「2ドア・クーペ」発表~』という記事は、ありがたいことに、掲載後しばらくYahooニュースのカテゴリー別ランキング(産業)の上位にとどまっていたと記憶している。 これは個人的な見解に過ぎないが、ほんの数年前まで、業界の一部では「レトロ=かわいい=女性向け」というステレオタイプがかなり幅を利かせていたように感じる。そのような偏ったイメージはほぼ廃れたようで、今ではレトロデザインは、好みの違いこそあれ、老若男女を問わず広く受け入れられていると思う。 大局的には、中国や米国の新興企業が目新しさで注目を集めているのに対し、既存の自動車メーカーが自社の伝統や歴史といったレガシーを武器に応戦するという、熾烈な企業間競争が透けて見える。 これは外見の問題だけでなく、ネーミングも同じで、かつて人気だったものの系譜が途絶えてしまった名車をフィーチャーするような流れが、フォードなど一部メーカーで見られる。確かに、どこかで聞いたような車名は安心感があるし、なんとなく良いイメージが浮かびやすい。 当然ながら、こうしたデザインやネーミング戦略を忌避するメーカーもあるので、業界全体が「右へ倣え」でレトロ一辺倒になるわけではない。ルノーも製品ラインを器用に分け、レトロなモデルと標準的なモデルを両方やるという二刀流の構えだし、全面的にレトロを取り入れるメーカーはむしろ少数派だろう。