45歳の若さで難病と診断された夫「家族の顔も分からなくなる…?」妻の決断とは<漫画>
『夫がわたしを忘れる日まで』(KADOKAWA)は、夫が40代で若年性認証と診断された子育て中のママの姿を描くセミフィクション。 【マンガ】『夫がわたしを忘れる日まで』を読む 著者の吉田いらこさんは、自身の父が脳に障害を負う経験をされており、本作はその経験を元に執筆したといいます。 本記事では、医師からアルツハイマー型の若年性認知症と診断され、症状が進むと“家族の顔も分からなくなる”と言われる7話と8話を紹介。家族の介護の悩みや、病気になったことで職場で周りの人に迷惑をかけてしまう辛さを語ってもらった第二回に続き、今回は吉田いらこさんに、病気による人格の変化や、若年性認知症について知ってほしいことなどについて聞きました。
脳の病気は、見た目には分からない
――主人公の夫・翔太は、症状が進行すると暴言を吐くようになりますが、これはなぜなのでしょうか。 吉田いらこ(以下、吉田):若年性認知症の症状によるものなのか、病気や後遺症による生活のストレスのせいなのか断定はできないようです。 ただ、私の父の場合は、手術で前頭葉を摘出したために、脳の理性や記憶を司どる機能の部分がなくなってしまっていると医師から説明されました。怒りっぽくなって家族を怒鳴りつけることもあり、最初はすごくショックでした。 ――言動が変わってしまうせいで、社会生活が困難になってしまうこともあるのでしょうか。 吉田:脳の病気が原因ということは見た目には分からないので、急に怒り出したりすると周りの人から「あの人変だね」と思われたりするかもしれません。それは本人にとっても辛いことだと思います。 病気が原因で言動が変わってしまうケースがあると知っていただけたら、もう少し優しい世の中になっていくのかなと思っています。 ――性格が変わったように感じるのは、周りの人にとっても辛いですね。 吉田:最初は辛かったし私と妹が泣いてしまったこともあったのですが、徐々に慣れていきました。ずっと暴れ続けるわけではなく、ひとしきり怒って叫んで数分経ったらリセットされるように静かになっていました。 だから私達も、「どうせ5分後には忘れて大人しくなるから」と受け流すようになりました。ただ、やはりすぐに感情的になるのは大変だったので、後に病院に相談して薬を処方してもらって父を大人しくさせてもらうことになりました。