戦後体制が崩れて世界は「大乱」~資産も大事だが、変化に対応できるのは人間だけだ
1945年以来の大波乱
2022年6月12日公開「いま襲い来る『複合危機』の8つの顔に真正面から向き合ってみる」、2022年6月14日公開「迫る『複合危機』――生き残るための教訓を『客家の教え』に学ぶ」に続いて、2022年7月7日に「大原浩の逆説チャンネル<第1回・特別版>大乱の八つのテーマと対処法」をアップしてからおおよそ2年が経過した。 【写真】日本を上回る?実はボロボロ・ドイツ経済、いつまでも期待先行インド経済 これらの記事や動画で取り上げた8つの「複合危機」とは下記の通りだ。 1. 資源・食料の不足 2. 気候問題 3. インフレ 4. 地政学リスク 5. 金融危機 6. 格差拡大 7. 政治の腐敗、弱体化、既得権益の増大 8. 全体主義の台頭 改めて読み返すと、どれ一つとして改善されずに、ますます状況が悪化していることを感じる。同じ感想を持つ読者も多いのではないだろうか。 まずは、これらに関連する過去の記事を紹介する。 1については、2022年4月28日公開「経済制裁に対する『資源制裁』のブーメラン…『小麦危機』で新興国政情不安が加速している」、2021年12月6日公開「脱炭素原理主義が今の『自業自得エネルギー危機』を招いている」。 2については、3月30日公開「脱炭素とEV化の欺瞞が暴露されつつある~トヨタの先見性と忍耐力は称賛されるべき」、2021年8月22日公開「脱炭素・EV推進、『合理的な科学的根拠が無い』この方針は、もはや『宗教』だ」。 3については、昨年10月13日公開「世界は21世紀の『オイルショック』に向かっている~バレル500ドルもあり得るか」、同11月27日公開「戦争が耐えがたいインフレを招来~エネルギー産出国、食料生産国が『覇権』の鍵を握る」、2022年1月31日公開「今度のインフレはものすごく強烈で悲惨なものになるかもしれない」。
噴出する「大乱の芽」
4については、昨年10月23日公開「パレスティナ―天井の無い監獄で何が行われてきたのか? 『いじめられっ子』がやり返したら大騒ぎに」、5月20日公開「ガザ反戦運動はベトナム反戦運動のようになるか? 追い込まれるネタニヤフとバイデン」、2月14日公開「欧州『農民一揆』は『21世紀のフランス革命』へ、米国テキサス州国境問題は『第2次南北戦争』へと向かうのか」。 5については、3月18日公開「今、目の前にある1989年のデジャヴ~上り調子の市場で損をする人々の生態とは」、昨年12月6日公開「世界的金融・経済の惨劇はある日突然~ブラック・スワンはいつやってきてもおかしくない」、昨年7月12日公開「大統領選イヤーのインフレで米国は世界経済・金融の危機の発信源となる」。 6については、昨年5月20日公開「7公3民、21世紀のフランス革命は起こるか、そして5公5民の日本では?」、昨年12月23日公開「アメリカン『ドリーム』と『ナイトメア(悪夢)』の落差、『夢』を与えられない人々の怒りが爆発する」。 7については、2022年7月19日公開「結局、『グローバル化』で大企業がやっていることは『中抜き』で勤労者を疲弊させ儲けるだけではないか」、2019年10月3日公開「世界を支配する『少数派』が利権の温床となる『これだけの理由』」、2022年12月26日公開「実は似通った中国と米国の内部対立、2023年の地政学リスクは高まる」。 8については、昨年12月9日公開「戦争、暗殺の時代だからこそ寛容を語りたい~善悪二元論は必ず間違える、『絶対正義』は存在しない、一神教より多神教」、2022年7月15日公開「『アベノセイダーズ』の罪と罰――安倍元首相暗殺が暗示する戦前昭和」。 などを参照いただきたい。 確かに、世界を見渡せばいつの時代でも大きく変化している。だが、数年前から我々が直面している前記の数々の「大乱の芽」を考えれば、明らかに(少なくとも)戦後80年の中で最大の波乱がやってきていることを否定できないであろう。