互角な戦いで信州軍勝利 峠の国盗り綱引き合戦は19勝15敗に【長野県飯田市】
長野県飯田市南信濃の「信州軍」と浜松市水窪町の「遠州軍」が互いの“領土”をかけて綱引きで争う「峠の国盗り綱引き合戦」が27日、県境にある兵越峠(標高1168メートル)で繰り広げられた。熱戦の末に信州軍が勝利。静岡県側に3メートル張り出していた「国境」を1メートル広げた。通算成績は19勝15敗。 飯田商工会議所遠山郷支部などが主催。陣羽織姿の佐藤健飯田市長と中野祐介浜松市長が大将を務め、女性2人以上を含む10人が3本勝負に挑んだ。 1本目は遠州軍、2本目は信州軍が勝利した。3本目も終盤まで互角の戦いで、制限時間3分が経過し、綱を引き込んでいた信州軍に軍配が上がった。熱い戦いを繰り広げた両軍に、会場からは大きな声援や拍手が送られた。選手らは握手を交わし、互いをたたえあった。 静岡県側に3メートル張り出していた「国境」の札はさらに1メートル移動。佐藤市長によって木づちで打ち込まれた。 信州軍は半数以上が新メンバーで、主将の平澤一也さん(41)は「新人の活躍で3本目につなげてくれた」と振り返り「綱引き以外での交流はあまりないので、さらに広げてにぎやかにしていきたい」と話していた。 峠の国盗り綱引き合戦は、戦国大名の武田信玄が遠州侵略の際に進んだとされる同峠を舞台に1987(昭和62)年、旧南信濃村と旧水窪町の両商工会が地域おこしイベントとして始めた。今回で34回を数える。