元暴力団組員キンちゃんが営む西成のうどん店『食事に本当に困っておられる方は一杯無料』恐喝や薬物を繰り返した過去から「お金ないから飯食えない、飯食えないから犯罪に」
久しぶりの温かい食べ物。ゆっくりと味わいます。
(客)「西成の人は情があるもんな。みんなガラの悪いところと言うけどな。世話になってばかりではあかん。お返しもせなあかん」 (キンちゃん)「お返しなんかいらん」 キンちゃん、「いつでも食べにおいで」と声をかけ見送りました。 (キンちゃん)「ちょっと話聞いたらつらいね。ただ単に横着して仕事していなくて生活保護を受けている、それで飯食えないからここで食べるという人もおれば、今みたいに過去に何かがあってこっちに逃げるように来た人もいる。『こんなおいしいの久々に食べたわ』と言われたら、ああうれしいって思う」
取引先からの未払いで経営が行き詰まり「所持金0円」
(客)「会社経営しているんですけど、未払いで所持金0円の状態なので。(友達に)きょうもおごってもらっているんですよ」 コンサルティング会社を営む男性。取引先からの支払いが滞り、経営が行き詰まりました。 (客)「犯罪を犯したくなりますよ。本当にもう誰かが1万円落としていればすぐとりたい。実行しないのは理性があるからやと思うんです。でも理性が崩壊するまで貧困になってしまった場合には、もうやむを得ないと思う。僕も実感したので。大変なことは大変。どう生きていくか、僕自身が問われている」 絶望の淵に立った男性を見守る友人。 (客の友人)「おなか膨らませないと、そら無理やろという。僕は無料うどんは知っているけど、ちゃんとお金払って食べようかなと思って、2人分払ったらええやんと思っているからさ。ほんまにその時は一人で来られたらええと思うし」 西成に集まる人はそれぞれ事情を抱えています。
東京の職場でのパワハラで…逃げるように西成へ来た女性
カウンターに若い女性が一人。無料のうどんを食べていました。33歳のアオイさん(仮名)。東京の飲食店で働いていましたが、上司からパワハラを受けて、数日前に逃げるように西成にやってきたといいます。 (アオイさん)「すごく温かいものを久しぶりに食べました。食事はカツカツにしないと無理で、食べられても1日1食とか。西成だったら助けてくれる人がいるかもしれないと思って。うどん屋さんはグーグルで調べたんですよ。一か八かで行ってみようかと思って」