いま来てます、ユーフォルビア『12か月栽培ナビNEO 多肉植物 ユーフォルビア』発売記念・靍岡秀明さんインタビュー
変幻自在なビジュアルに魅せられて、ユーフォルビア沼にハマる人が急増中です。『NHK趣味の園芸 12か月栽培ナビNEO 多肉植物 ユーフォルビア』の発売を記念して、著者の靍岡秀明さんにインタビュー。人気急上昇中の多肉植物・ユーフォルビアのおもしろさや、本書への思いについて伺いました。 いろいろなユーフォルビア(多肉植物・サボテン図鑑)
収まりきらないおもしろさ
「ユーフォルビア、おもしろいよね」 最近、そんな会話がよく交わされるようになりました。ユーフォルビアの個性的な姿に魅せられ、集める方がふえ、展示会や即売会で並ぶ多肉植物のなかでも、ぐんと存在感を増してきました。 少し前まで、多肉植物ファンの間でユーフォルビアといえば、サボテンに似たちょっと変わった植物というイメージ。たしかにサボテンを思わせるような球形や柱形の種類や、とげが目立つものもあります。なんとなくサボテンのサブ的な位置づけでした。 じつは、そんなイメージに収まりきらないほどの超個性派ぞろいで、クセの強い種類がたくさんある──。そのことに気づいた人たちが、本格的にユーフォルビアを育て始めたということでしょう。 枝がうねるように伸びる「タコものタイプ」、次々と枝が分かれて独特の樹形をつくる「低木タイプ」。茎や根がふくらんだ「コーデックスタイプ」もあって、その世界ではすでにパキポディウムやアデニウムに並ぶ人気者です。なんといっても、この多様さこそがユーフォルビアの魅力ですね。
御三家はオベサ、ホリダ、バリダ
なかでも人気の筆頭はオベサ、ホリダ、バリダの3種。それぞれにファンがふえて、熱気を帯びてきました。 なぜハマるのかというと、この3種それぞれに変異が多く、個体差も大きく、その株ならではの独特の顔つきがあるからです。ひとたび種類を集め始めると、たちまち沼にハマってしまいます。 多肉植物のユーフォルビアは、アフリカ、熱帯アジアなどに分布していますが、特徴的な種類が多いのは南アフリカ。オベサ、ホリダ、バリダの故郷も南アフリカです。 実際に原生地を訪ねてみると、乾燥した高原地帯に太陽が照りつけ、強い風が吹き抜ける場所。雨季はありますが、土壌は砂や小石で、雨水はすぐに乾いてしまうでしょう。昼は高温になっても、夜は気温の下がる高原の気候。湿度も低く、高温多湿の日本の夏とは大きく異なります。