（Ｃ）日刊ゲンダイ

　国立感染症研究所は8日、感染症発生動向調査（IDWR）速報データ第39週（9月23日～9月29日）を発表した。 梅毒が疑われる場合の対処法 日本一の性感染症治療医が教える 　梅毒の新規感染報告件数は新たに195件が加わり、年初からの累計数は1万766件となった。現在の方式で統計を取り始めて以来、過去最多を記録した前年同期の累計数1万1260件に比べて、マイナス494件となった。 　この数字は第34週マイナス660件、第35週マイナス597件、第36週マイナス549件、第37週マイナス495件、第38週マイナス505件と推移。徐々にマイナス幅が縮小している。この数字が前週より「悪化している」は21都県、「変わらず」が5府県、「改善している」が21道府県だった。 　悪化で目立つのは、東京、愛知、京都など。「改善」は大阪、兵庫、広島、福岡などで顕著だった。ちなみに、第39週時点で過去最多の昨年を上回ったのは21都府県で下回ったのは26道府県だった。 　性感染症の専門医で「プライベートケアクリニック東京」新宿院の尾上泰彦院長が言う。 「今回の速報データの注目は、過去最多に迫るペースだった東京の梅毒の新規感染報告者累計件数がついに昨年同期を上回ったことです。第38週まではマイナス17件でしたが、第39週ではついにプラス19件に転じました。この先、ハロウィンや学園祭、忘年会、クリスマスなど梅毒感染により注意が必要な20代女性、20代から50代男性が参加するイベントが目白押しです。東京では昨年を上回り、過去最悪の梅毒の新規感染報告数を記録するかもしれません。過去の例から東京の感染者増は地方への広がりのきっかけになりやすい。いまは全国的には新規感染者数は前年を下回っていますが、注意が必要です」