【有馬記念】(5)ベラジオオペラ絶好枠!内枠のマエストロ、年の瀬の中山に響き渡る凱歌
24年も暮れの大一番が近づいてきた。「第69回有馬記念」(22日、中山)の公開枠順抽選会が19日、東京都港区の品川プリンスホテルで開かれ、出走16頭の枠順が決まった。ベラジオオペラが3年連続で馬券に絡んでいる絶好5番枠を射止めた。寒空の中山に凱歌が鳴り響くか。トップバッターとして抽選に臨んだドウデュースも好枠2番をゲットした。 “ラッキー5”を射止めた。ベラジオオペラ陣営に笑みが広がる。馬番が記された用紙を確認した横山和は、思わず「いいじゃん、いいじゃん!」と興奮。昨年ドウデュース(1着)、22年ジェラルディーナ(3着)、21年ディープボンド(2着)と、3年連続で馬券に絡んでいる幸運枠ゲットに会場も沸いた。 先に順番が回ってきたドウデュース(2番枠)、ダノンデサイル(1番枠)などの有力勢が内枠を埋めていく中で手にした5番枠。横山和は「人気どころ(の出方)も見られる枠。いい枠を引けたので楽しく乗れそうです」と納得の口ぶり。鞍上は昨年も好枠4番からタイトルホルダーで逃げて3着に粘った。気になる戦法については「これから上村先生と話し合って決めたい」と話した。 “内枠巧者”のベラジオオペラにとっても最高の枠順だ。5番枠は23年チャレンジCで重賞勝利の経験あり。23年スプリングS(1着)、今春の宝塚記念(3着)を含め、5番枠より内なら【4・1・1・2】と結果を残している。上村師は「2500メートルを走るにはとにかくロスなく運んで脚を残すことが大切。本当に絶好枠だと思いますよ」と笑みを浮かべた。 日本中の競馬ファンが見守る壇上で、指揮官は「過去イチの出来」と断言した。6着に敗れた前走天皇賞・秋は、猛暑の疲れが残っていた。それでも勝ったドウデュースとはわずかに0秒4差。最高潮のコンディションで、絶好枠を手にしたなら…。期待が膨らむ。同師は「正直、前走はなかなか僕のトーンも上がらなかった。今回は自信を持って臨めますよ」と力強かった。 春の大阪杯でG1初制覇を決めた。今年の有馬記念ファン投票では堂々の3位、4歳馬では唯一のトップ10入り。「地味に人気がある馬ですよね。ありがたいことです」とは上村師。人気投票の1、2位は1つ上と下の世代のダービー馬ドウデュースとダノンデサイル。4歳世代の誇りを胸に、グランプリ制覇を目指す。 《コースも内枠勢に恩恵》「タフな年末のグランプリ」というイメージの強い有馬記念だが、今年はやや趣が違う。中山の芝コースは絶好の状態をキープしており時計も速い。先週日曜に行われた芝レースは5鞍で3、9、1、2、8番枠がV。全て多頭数のレース、2桁馬番の勝利はなかった。状態絶好のインをロスなく回れる内枠勢には例年以上の恩恵がありそうだ。 《横山和&上村師コンビ今年の芝勝率36%》横山和と上村師のコンビは今年、良績を残す。18走して【4・3・3・8】で勝率22%。連対率39%、複勝率56%で2回に1回以上は馬券になっている。芝レースに絞れば勝率は36%とさらに跳ね上がる。“黄金タッグ”が暮れのグランプリを盛り上げる。