カウンタックやF40のようなアイコンを作れるか? マクラーレンが「デザイン大変革期」を迎える意味
■60年にわたる歴史とともに マクラーレンは、1963年にニュージーランド出身のブルース・マクラーレンによって創設された。1966年にF1にコンストラクターとして参戦。1980年代から1990年代にかけてのアイルトン・セナの活躍は、日本でのF1人気に大きく貢献した。 2000年代に、ルイス・ハミルトンがさまざまな話題を提供してくれたことも記憶に新しい。F1関連の最新ニュースは、2024年5月のマイアミGPで、ランド・ノリスによる1位獲得だ。
1960年代は、F1と並行して「カナディアン―アメリカン・チャレンジカップ(Can-Am)」にも参戦。カンナムシリーズと呼ばれるこのレースでは、ボディ全体でダウンフォースを生む独自企画のカンナムマシン(日本だとトヨタ7や日産R380などがそれに当たる)を使う。 マクラーレンは、M6シリーズとM8シリーズでもって、1967年から1971年にかけて5年連続で選手権を獲得。当時、大いに話題になったものだ。
シュールマン氏は、「これらがマクラーレンのDNAです」と語る。 「私が10代のときに発表された『マクラーレンF1(フォーミュラ1設計者のゴードン・マレイが手がけたスーパースポーツ)』や、続けて1995年に登場した『F1 LM』は、衝撃的なモデルでした。私はマクラーレンのデザイン責任者に就任したとき、1960年代からマクラーレンが手がけてきたモデルを改めて研究し、象徴的な機能パーツをこれからのデザインに活かしていこうと考えました」
■F40やクンタッチのようなアイコンを マクラーレンは、これからモデルバリエーションに“より多様性をもたせていく”考えのようだ。 「私たちは今まで以上に、モデルごとのキャラクターを明確化する必要があります。このモデルはロードゴーイングカー、あのモデルはサーキットに特化している……とか。それでいて、遠目でもマクラーレンのプロダクトだとすぐにわかることが重要です。そのために、ボディデザインにおけるキーエレメントの役割が大切になるでしょう」