<独占インタビュー>横浜DeNA、三浦大輔が語るピッチングの微調整力とは?
復帰以来、5連勝中の横浜DeNAの三浦大輔(40)は、ストレートは140キロに満たないが、低めのゾーンを遣う抜群の制球力と、多彩な変化球を武器に防御率、2.67の安定感をキープしている。優れているのは、その“微調整力”。THE PAGEの独占インタビューの第2回では、三浦の投球術の極意に迫った。 ――三浦さんの素晴らしさは、その修正力だと思っています。きょうの自分をどこでどう確かめるのですか? 「試合前のブルペンで、自分の状態を把握してからマウンドに上がるわけですが、マウンドに上がると、どうしてもバッターとの駆け引きがあるのでブルペンでできていたことができなかったり、逆にブルペンで、できていなかったことができたりすることがあるので、常に修正、微調整をしながら投げているという感覚です。『きょうはこうだな、もう少しこうすれば、こうだな』と。ただ、自分では『大丈夫だな』という感覚をつかんでいても、勝負どころで高くなってしまう場合もあるんです。その場合は、微調整をしたり、『ここはコントロールミスしてもいいところだ、でもコントロールしたとしても、ここから内だな、ここから外だな』と常に考えながら投げています」 ――バロメーターとなるボールはあるんですか? 「大事なのは、真っ直ぐのキレです。それを確かめるのは、基本アウトローですけどね。そのボールをキャンプで一番練習します。そこに納得のいくキレのボールが行くように微調整していくのですが、そのボールがダメでも試合が進んでいきますから。真っ直ぐが決まらないなら、軸になるボールを試合の中で変えていきます。真っ直ぐはボールにして、スライダーでカウントを稼いだりと、変化球を多く使う配球に微調整していくのです。このボールを投げていれば、絶対に大丈夫というボールがあるわけではありません。だから僕は、全部のボールをコントロールできないと抑えられない。相手の読みの裏をかいていかないと抑えられないと思っています。『こんなところで投げてくるのか』と打者が思うような場面で、135のストレードをズバっと裏をかいて使うんです」 ――心理戦ですね。 「2順目になってくると、相手チームも対策をしてきます。『きょうの三浦は、このボールがいいから、このボールは捨てよう』というようなことをチーム全体でやってきます。そうなると、こっちは、そこの裏をかく。捨ててくるボールは使わないなら捨てようがなくなるでしょう。そういうことを、ああでもない、こうでもないと考えてながら投げていますけどね」 ――データは利用されていますか? 「ミーティングで、先乗りスコアラーからの現状報告を聞き、データは頭には入れておきます。でも何回も対戦しているバッターならば、裏の読みあいになりますよね?」