京都「年末年始に鑑賞したい展覧会」個性あふれる辰の画、シュルレアリスムなど必見の3選
新年の干支である龍を描いた作品や、神道仏教美術や器、金工品などコレクターの美意識が光る蒐集品、そして不可思議な世界観の絵画。2023年から2024年にかけ、冬の京都では、さまざまな美術品を鑑賞できる展覧会が開催されています。
新春特集展示「辰づくしー干支を愛でるー」
2024年の干支は辰(龍)。十二支のなかでは唯一の架空の生きものです。実際に見たことはなくても、人々は龍を信じ、豊かな想像力からさまざまな龍の姿を生み出してきました。 京都国立博物館で2024年1月2日から2月12日まで開催される新春特集展示「辰づくしー干支を愛でるー」では、日本や中国の美術にあらわされた個性あふれる龍を紹介しています。 江戸時代の百科事典によると、龍の体は「頭は駱駝、角は鹿、目は鬼、耳は牛、項(首の後ろ)は蛇、腹は蜃(しん/龍に似た想像上の生き物)、鱗は鯉、爪は鷹、 掌は虎」と記述されています。龍をモチーフとした絵は中国や日本でたくさん描かれてきましたが、時代や地域、つくり手によって、その姿は少しずつ変化があります。
「昇る龍・降りる龍」「雲と龍」「龍と虎」など、龍を題材にするときには、組み合わせに決まりがありました。また、龍の横には雲や虎が描かれることが多く、龍の力強さを際立たせています。作品ごとに異なる龍の姿を見るのも楽しみの一つです。 人々が何を願い、龍を描いたのか―。辰年のはじめ、そんなことに想いを馳せながら、さまざまな龍を見てみませんか。 【新春特集展示「辰づくしー干支を愛でるー」】 京都国立博物館 京都市東山区茶屋町527 会期/令和6年(2024年)1月2日(火)~2月12日(月・休) 開館時間/9時30分~17時(入館は16時30分まで) ※金曜日は19時まで開館(入館は18時30分まで) 休館日/月曜 ※1月8日(月・祝)・2月12日(月・休)は開館、1月9日(火) 観覧料/一般700円、大学生350円
開館25周年記念展Ⅱ「挑み、求めて、美の極致ーみほとけ・根来・茶の湯釜ー」
1998年に開館し、日本美術コレクターの細見家三代の蒐集品を中心に多彩なコレクションを紹介している細見美術館。開館25周年を記念して、2024年1月28日まで開館25周年記念展Ⅱ「挑み、求めて、美の極致ーみほとけ・根来・茶の湯釜ー」が開催されています。 同展では、初代 細見古香庵(ここうあん)が美の原点として心酔した神道仏教美術などを展覧。ほかにも、飲食器や什器として用いられる塗りの美しい根来(ねごろ・漆器)、茶の湯釜などの金工品など、平安から桃山時代にかけての名品の数々を見ることができます。