【年齢別】20代~50代女性の薄毛、「出産後に髪がもとに戻らない」「男性AGAと同じに」注意すべき年代は?
■【40代】8割が「薄毛に不安」、閉経後は男性AGAと同じメカニズムに
では、40代はどうでしょうか。調査によると、実に8割の人が薄毛に対する不安を持っているということです。 「更年期に入る40代は、ホルモンバランスが変わりやすい時期です。更年期を迎える手前から、髪にコシやハリを与える女性ホルモン・エストロゲンが大きく変動し、一気に減少していきます。これによってまず、細くて弱い軟毛化が起きます。その後、女性ホルモンの濃度が下がるにつれて髪の毛の成長が遅くなり、退行期を早め、髪は抜け落ちやすくなります」 さらに、その症状は閉経を迎えるとさらに加速します。 「女性の体内には男性の10分の1~20分の1の量の男性ホルモンが分泌されていますが、閉経後は女性ホルモンの分泌量が低下するため、男性ホルモンの濃度が相対的に高くなります。結果、男性AGAと同じメカニズムで薄毛と脱毛が引き起こされます。ただし、更年期障害の症状や度合いが人それぞれ異なるように、薄毛や脱毛も急に起きる方もいれば、少しずつ出る方もいるなど、かなり個人差があります。早めの治療が有効なので、気になる症状が出たら医療機関の受診をおすすめします」 ■【50代~】髪の本数が年々少なくなり、全体的に薄毛に… 50代以降もまた、男性AGAと同じメカニズムで薄毛や脱け毛が起こります。ただし、症状は男性のそれとは少し異なるそう。 「髪は成長し抜け落ちるというサイクルを繰り返していますが、男性の場合は、髪がどんどん細くなって抜け落ちて薄毛になり、進行すると、脱毛した部分からは髪が生えてこなくなります。一方、女性の場合は、年齢とともに脱毛後に新たに髪が生えるまでに時間がかかるように。髪の本数が年々少なくなって、全体的に薄毛になってしまうのが特徴です」 女性ホルモンの減少が大きな原因である以上、年を経たら女性AGAは多くが避けられない問題。いつまでも豊かな髪、ヘアスタイルを保つためにも、若いうちから日頃の生活に気を配るようにしましょう。そして、気になる症状が出てきたら、早めに専門医に相談してみることがお勧めです。 【監修】 宋 有奈(そんゆな) 獨協医科大学卒業後、東京慈恵会医科大学附属病院に勤務し、形成外科・レーザーを中心とした診療を行う。現在はクリニックフォアで皮膚科、形成外科の質の高いプライマリーケアの実践を行っている。 (文:河上いつ子)