80歳の母がひとり暮らしで「要介護」なので、話し相手を「ヘルパー」にお願いしたかったのですが、介護保険では難しいようです。保険外のサービスを契約したほうが良いでしょうか?
訪問介護の対象外のサービスを利用したい場合
介護保険の範囲内でできないことは、介護保険外サービスとして利用できます。市区町村、介護保険事業者、シルバー人材センター、社会福祉協議会、NPO法人、ボランティア団体、民間企業などが提供しています。いくつか見てみましょう。 ■市区町村独自の高齢者向け福祉サービスを利用する 一定の要介護状態にある高齢者に対し、介護保険で賄えないサービスの量や種類を充実させる独自の高齢者向け福祉サービスを提供する市区町村があります。 サービスの種類や対象者、費用は市区町村により異なります。寝具乾燥サービス、移送サービス、配食サービス、訪問理髪サービス、食事サービス、家事援助サービス、ゴミ出しサービスなどを民間よりも安価で提供してくれます。 ■混合介護を利用する 介護保険制度では、高齢者が抱える多様なニーズに柔軟に対応できるよう、一定の条件の下で、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供することを認めています(混合介護・選択的介護)。 たとえば、「訪問介護の提供の前後や提供時間の合間に、草むしり、ペットの世話のサービスを提供すること」「訪問介護として外出支援をした後、引き続き、利用者が趣味や娯楽のために立ち寄る場所に同行すること」「訪問介護の通院等乗降介助として受診等の手続きを提供した後に、引き続き、介護報酬の算定対象とならない院内介助を提供すること」といった組み合わせが可能です。 たとえば、東京都豊島区の選択的介護実施事業者(訪問介護事業者)のうち、ニチイケアセンター豊島は、【生活支援】(話し相手、家族不在時の見守りなど)を1782円/30分、【外出支援】(通院介助・外出付き添いなど)を1782円/30分で提供しています。 ■シルバー人材センターを利用する シルバー人材センターとは、高齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織です。働きたい地元の高齢者に、それにふさわしい仕事をシルバー人材センターでつなぐ活動をしています。原則、各市町村にあり、家事全般の支援をしています。サービス内容はセンターにより異なります。 たとえば、公益社団法人柏市シルバーセンターの料金表を見ると、パソコン訪問支援は1時間以内1300円、家事援助サービス1300円~/1時間などとなっています。 ■民間のシニア向け家事代行サービスを利用する 企業が家事代行サービスを提供しています。近年はシニアに限定したサービスも登場しています。 たとえば、ダスキンのシニアケアサービスは、原則として65歳以上の方を対象にしたサービスです。掃除、買い物、食事作りなど家事全般、長時間の見守り、散歩や病院への付き添い、食事や歩行の介助、話し相手などサービスの内容は幅広いです。 24時間365日対応、1回2時間以上から利用できます。東京・神奈川の場合、基本料金は1回2時間 9900円(税別 9000円)より、となっています。