日本から撤退濃厚の家電「エレクトロラックス」、消費者に周知なしはアリなのか?メンテはどうなる?家電量販店と経産省に聞いた【後編】
そもそも撤退に関する告知をギリギリまでしないのは問題にならないのだろうか。 まず、国民生活センターに問い合わせたところ、「実害が出ていないと回答できない」との回答だった。 そこで、家電メーカーを所管する経済産業省に問い合わせると、担当部署が電話に応じてくれた。 ■経産省「告知義務はないが…」 「エレクトロラックス・ジャパンの国内撤退に関しては、まったく知らなかったです。 (公式サイト上で撤退の告知がされていないことに関して)個人的には怒り心頭です。消費者を考慮していない感じがしますし、少しは真面目にやってほしいです。いま販売されているものが、撤退後にどうなるのか、どのような企業が引き取ってサポート周りを対応するのか、周知するべきでしょう。
一方で、告知を義務付けたり、取り締まったりする法整備が行き届いていないのも事実です。10月下旬に、破産を発表した船井電機(11月13日段階では破産手続きの即時抗告を申し立て中)も、われわれとしては急な出来事でした。結局のところ、破産や撤退を周知するのかどうかは、各々の民間企業に委ねられます。 ただ、販売時に約束していた保証期間などを守ってもらわないと、景品表示法違反に該当する可能性も出てきます。そうした観点からも、メーカーは事前に入念に手続きを踏むべきでしょう」
エレクトロラックスの場合、『保証期間1年』は守られたとしても、その後の修理などの対応は不透明であり、部品の供給がなければ故障したときに数年で買い替えを余儀なくされる可能性もある。 メーカーの「事業の継続性」は消費者にも周知されるべき重要な問題だ。どの企業も、透明性のあるプロセスを踏むことが望まれる。
佐藤 隼秀 :ライター