G-SHOCK、プロトレックほか【カシオ時計事業“50周年”アニバーサリーモデル】6ブランド横断で特別なコレクションを展開
現在のカシオ計算機の前身となる樫尾製作所が創業したのは1946年。当初、顕微鏡の部品や歯車などを作る下請け工場であった同社は、次第に数々の発明を試み、独自の製品を開発するようになる。こうして54年には日本で初めての電気式計算機を完成。その後は、この分野に特化し、世界に誇る電卓メーカーとしての歴史を歩んでいった。 【画像】空と海をモチーフにカシオの6ブランドで展開、50周年モデルを見る 他方で70年代に入ると、同社が電卓製造で培ったLSI技術を最大限生かせる新商品の開発も模索していた。そこで目を付けたのが、機械式からクォーツ式へと切り替わる技術変革期にあった“腕時計”のジャンルである。 そして74年、カシオ初の電子腕時計“カシオトロン QW02”を完成させる。当初同社が目指したのは“完全自動腕時計”で、時・分・秒の表示はもちろん、大の月・小の月を自動的に判別する世界初のオートカレンダーを搭載したデジタルウオッチがカシオトロンだったのだ。
“時間は1秒1秒の足し算である”という発想から生まれた、カシオウオッチ1号機の“カシオトロンQW02”。時刻はもちろん、月・日・曜日まで正確に表示するオートカレンダー機能を世界で初めて搭載したデジタル腕時計だった。 いまでこそカシオといえば、タフネスウオッチの代名詞的存在であるG-SHOCKの名が真っ先に挙がるが、当初の開発思想は脈々と受け継がれており、83年に発売したソーラー時計を皮切りに、先進技術を取り入れた実用性の高い腕時計を次々と発表している(画像記事の年表参照)。
2024年は、そんなカシオウオッチが誕生から50周年という節目の年である。2月には前出のカシオトロンの復刻版が発表され、大きな注目を集めた。 カシオトロンの復刻版は現在の品質基準に準拠しながら初代モデルのデザインを再現した点が大きな特徴だ。“完全自動腕時計”という開発思想のもとで生み出した電波受信機能やモバイルリンク機能、ソーラー駆動といった技術を盛り込んでおり、まさしくカシオウオッチ50年の歴史が凝縮された1本と言える。 ちなみに4000本の限定生産だったが、発売まもなくして完売。如何に注目度が高かったかがうかがいしれる。また6月にはカシオの6ブランドから、共通のテーマのもと製作された50周年モデルが登場。ますます大きな盛り上がりを見せている。
文◎Watch LIFE NEWS編集部