ボクシング世界ユース王者・堤麗斗、大学最後の全日本制覇へ向けて圧勝発進 大みそかに世界挑戦者決定戦控える兄・駿斗に「バトン渡したい」
アマチュアの2024全日本ボクシング選手権第3日が28日、東京・ひがしんアリーナで行われ、ライト級で21年世界ユース王者の堤麗斗(東洋大4年)が武山十吏睦(駒大)を判定5―0で下し、30日の準決勝進出を決めた。今大会初戦の堤は、段違いのスピードで試合開始から左カウンターを再三ヒット。初回からジャッジ5人中4人が10―8をつけ、2回にはスタンディングダウンも追加して圧勝した。 「いい内容で勝つことを気にしすぎて、力んだり雑になったりした。この先はこんな内容じゃだめ。反省です」と、堤は圧勝にも不満顔。試合後はすぐシャドー、ミット打ちに取り組んだ。 兄の前東洋太平洋フェザー級王者・堤駿斗(25)=志成=に続く日本ボクシング史上2人目の世界ユース王者。高校入学以降、国内で試合に負けたことはない。 初参加だった昨年の全日本選手権は体重超過のため不戦敗。「大学ラストの大会。悔いなくすっきり終わりたい」と、闘志を燃やす。来年はプロ転向を視野に入れるが「まずはこの大会。終わってからゆっくり考えます」と気を引き締めた。 兄は大みそかにWBAスーパーフェザー級挑戦者決定戦という大一番が控えている。「いい意味で兄貴にプレッシャーを与えられるような内容で勝って、バトンを渡したいと思います」。兄弟そろって今後への大きな一歩を踏み出していく。
中日スポーツ