阪神18年ぶりの優勝、岡田監督が振り返る「アレ」への歩み 「試合をこなしていけば強なると思ったよ」
―中継ぎ陣に桐敷ら新しい人材が出てきました。 「『JFK』(2005年の優勝の原動力となったウィリアムス、藤川、久保田の救援陣)みたいに突出した者はいてないわ。でも真ん中(の力量)の人数がいてるから、ああいう風に使えるわけやんか。俺はリリーフ陣には負けパターンとか敗戦処理なんて言葉を一切言わへんよ。1軍の戦力として置いているわけやからな」 ―素直な選手が多くてやりやすかったのでは。 「やりやすい、やりやすい。新しいことを知ったらものすごく興味を持つよな、今の若い選手」 ―若い選手と接するときの工夫はありますか。 「うーん、あんまりきつくは言わんようになったな。柔らかく、納得するように言うようになったかなとは思うけどな」 ―18年前と比べて監督の表情が豊かになりました。何か変化はありますか。 「前の方が絶対に勝たなあかん言うのがあったよな。中日、巨人に勝たんと優勝できないいうのもあったし。ずっと3チームがAクラスでな。ほとんど(上位と下位が)分かれとったからな。そういう意味では今回に比べたら、前回の方がきつかったよ。今回はやっぱり未知というかな、18年も優勝してないのに、勝てるとかそんな簡単に考えられんと思うとったけどな」
―いろいろな監督を見てきて、監督としてのベースになっているものは何かありますか。 「それはあるけどな。でもみんな一長一短あるもんな。全部が全部、その人の真似したら勝てるという話もないし。ええとこ取り言うてもな、ええとこなかった人もおるしな。でも、ええとこない人もええんやで。ああいうことやらんかったらええんやからな逆に。そういう発想とかはな、俺考えるの好きやからな」 ―野球の楽しさは? 「監督はあんまり楽しいって思えへんけど、周りが喜んでる姿見たら楽しいけどな。勝ってな、喜んでる姿を見るほうが楽しいわ」 ―よく「普通にやるだけ」と言ってますが「普通」とは。 「普通っていうか、当たり前のことな、当たり前にするいうこと。これが本当は一番難しいかも分からんけどな。自分の今の力以上のことをやらんでええいうことじゃないかな。ゲームで出す力いうのはな、キャンプとか練習の中で、上げていったらええんやからな。象徴的なのは木浪やな。あいつ力あったんよ。最初、言うたもんな。『おまえ、何しとったん?どこにおったん?』ってな。力あるのに、チームの戦力にならないのはおかしいからな。それを見極めんのもおれらの仕事やと思うよ」