【MotoGP】2023年に大苦戦したヤマハ、優遇措置受ける2024年の復活はあるのか? 「チャンピオンは夢物語ではない」
2021年にファビオ・クアルタラロと共にチャンピオンに輝いたヤマハだが、それからわずか2年後の2023年には、メーカーとしては最下位を争う位置にまで凋落してしまった。 【ギャラリー】2023 YAMAHA YZR-M1 隅から隅まで写真でチェック 2023年はスプリントレースという新たな試みがなされたが、ヤマハは1勝も挙げることができず、196ポイントを獲得するに留まった。コンストラクターズランキングでは王者ドゥカティ(700ポイント)に大差を付けられ、6メーカー中5位に終わった。 まさに大苦戦のシーズンに終わったわけだが、開発部隊としてはどんな総括をしているのか? 関PLは2023年のYZR-M1は「強くなった」としつつも、ヨーロッパ勢に追いつけていない状況が続いていると語った。 関PLは2023年型の開発において狙ったのは、これまでも言われて来た「最高速向上」だと明言しており、エンジンは“2年分”のアップデートによって実際に高回転・高出力化を果たしたと自信を見せた。その上で2022年型が持っていたブレーキングやコーナーエントリーといった強みを維持することを目指していたという。 しかし実際の結果は、シーズン0勝。関PLは2023年シーズンの戦況について、次のように振り返っている。 「車両トータルとして戦闘力は上がっていました。しかし他社の伸びしろが大きく、結果的に苦戦することになりました」 「他と比べてM1の持ち味や強みは、フロント周りのスタビリティがかなりあって、フィードバックも多いことです。ですので、ブレーキングやエントリーに強みがあると感じています。実際にファビオやフランコ(モルビデリ)がフロントから転倒するというのは、年間で少なかったと思います」 「しかし一方で、加速に関してはまだ他社に対して遅れていて、レースでは前を走るバイクをなかなかオーバーテイクできず中団に埋もれてしまうようなケースが多かったです。予選のポジションがあまり良くない結果、レースペースはそんなに悪くないんだけれども、レースでは苦戦してしまうというようなことがありました」 「2003年以来のシーズン0勝というすごく不甲斐ない結果になってしまいました。ただシーズンを通じて改善に取り組んで、満足できるところまではいけていないですが、来シーズンに向けて挽回し、上向きな状態で終えることができたと思います」 「取り組んできた開発の方向性は悪くなかったと言えると思っていて、好材料だろうと思っています」 なお2023年はヤマハと同様に日本メーカーのホンダも苦戦。MotoGPはこの2メーカーの復活へ助力することを念頭に置いて新しいコンセッション(優遇措置)制度を制定した。 その結果ヤマハはエンジン開発の自由、テスト自由化、エアロダイナミクスのアップデート回数増加など恩恵を受けることになるが、2024年に復活できるのだろうか? 一足飛びの進歩は難しいようにも思えるが、あくまでも関PLは見込みがあると主張する。
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