【漫画家に聞く】もしPTA会長に選ばれたら……SNS漫画『気弱なのに考えてることは割とおこがましい奥様』がリアルで愛らしい
PTAで大事な役職は楽な仕事だったりする。変にポジティブな奥さまとママ友との何げない会話がコミカルに描かれる漫画『気弱なのに考えてることは割とおこがましい奥様』の切り口の面白さに6.4万のいいねが集まっている。 漫画『気弱なのに考えてることは割とおこがましい奥様』 作者は専業主婦のもぐさん(@Mog_ikg)。自身の経験をもとにして考えられた内容はギャグとして楽しめる反面、主婦のリアリティも感じさせてくれる。最近では夫を女性として描いた漫画もバズらせている彼女に本作の制作を聞いた。(小池直也) ――多くのいいねが集まっていますが、ご自身としてはいかがですか? もぐ:この投稿は2年前に描いたものだったのですが、当時は300いいねほどでした。夫を女の子にして描いた漫画がバズってからフォロワーさんが増えたので、こちらも注目してもらえたのかもしれません。 不本意ですが夫ちゃんのおかげですね(笑)。あとは主婦目線の創作漫画って多くないですし、新鮮だったのかなとも感じています。 ――制作の経緯は? もぐ:小学生の息子と関わるのは大変なんですよ。でも、その経験を面白おかしく漫画に昇華しようと思ったんです。ここまでおこがましくはないですけどね(笑)。大学生時代の自分は意識がやや高め、かつ自信が強くて変にポジティブだったので、それを誇張して投影している部分はあると思います。 ――ママ友との会話は実体験をもとにされていますか。 もぐ:色々な人をミックスしてはいますが、モデルになった方はいます。会話の内容は実際の内容そのままではなく、会社で聞いた話を膨らませたりすることも多いですね。知人だと気付く人もいるかもしれません。 ――「PTAのお手軽仕事が大事」という話も印象的でした。 もぐ:実際はベルマークを集める役職があって「これ、要らなくないですか?」と職場の上司に聞いたら「働くお母さんにとっては、楽な役こそが重要なの」と話していて。面白かったのでネタにしてしまいました。 ――今の作風はどのように培ったのでしょう? もぐ:以前は谷川ニコさんの『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』の2次創作を描いていて、そこで漫画の描き方を覚えた感じです。当時フォロワーさんが2000人ほどいましたね。ちょうどその頃、高校生時代のエッセイを描いたら、それがバズったんです。 それが2次創作よりもエッセイの方が読んでもらえるんだと気付いたのは瞬間でした。まだまだ自分では未熟だと思うことが多いですが、本作のような創作漫画で多くの人に読んでもらえたことは嬉しいです。 ――育児と創作のバランスは? もぐ:もともと仕事の息抜きに描いていました。途中で仕事と育児の両立が難しくなって仕事を一度辞めて、先ほどの高校生時代のエッセイをウェブサイトに半年ほど連載するようになったんです。今は専業主婦をしながら趣味で漫画を描いています。 ――続編などは考えていますか? もぐ:自分の経験をもとにすればネタが豊富にあるので描きたいですね。それから今は別アカウントで高校生の恋愛漫画も描いているのですが、色々な物語に挑戦して創作の幅を広げたいです。
小池直也