お茶、生わさび、さらには“武田信玄の隠し湯”まで…いま行くべき、奥静岡(オクシズ)の注目スポット
静岡県静岡市の中山間地に当たる奥静岡エリア(愛称:オクシズ)。区域内には梅ヶ島温泉や井川ダム、南アルプスなど多数の観光資源があり、静岡茶やわさびの栽培、ウイスキーの製造が盛んなことでも知られている。そんなオクシズの魅力を堪能できるプレスツアーが実施される……と聞きつけた記者は、こちらの企画に飛び入り参加。実際に現地を訪れ、その魅力に触れた数々のスポットを、リポート形式で紹介しよう。 【写真を見る】“武田信玄の隠し湯”にちなんだ、4種の「風林火山の湯」を体験! ちなみに集合場所のJR静岡駅には、その周辺に徳川家康の像や「ちびまる子ちゃん」のイラストが描かれたマンホール、静岡市が推進している地方創生プロジェクト「静岡市プラモデル化計画」の一環として制作されたプラモデル型モニュメントなどが設置されており、到着早々、これらもばっちり撮影させてもらった。 ■オクシズ~静岡駅周辺の注目スポットをピックアップ ■【足久保ティーワークス はじまりの紅茶 Terrace Cafe】 “静岡茶発祥の地”とされる足久保の茶農家が集まり発足した「足久保ティーワークス茶農業協同組合」。安心安全でおいしいお茶づくりを目指し、さまざまな活動に取り組んでいるそうで、製茶工場前では足久保茶を味わえるカフェ兼茶葉販売所「はじまりの紅茶TerraceCafe」が営業中。今回は茶畑を一望できる「茶畑テラス」にも案内してもらい、そちらで足久保茶と季節のフルーツサンドをいただいた。 ※予約は「はじまりの紅茶」オンラインショップから。 ■【有東木:うつろぎ/わさび田】 続いて訪れた有東木は、“わさび栽培の発祥地”として知られ、「ワサビ山」と呼ばれる一大ワサビ田が広がる。“静岡水わさびの伝統栽培”は世界農業遺産にも認定されており、地場産品販売施設「うつろぎ」では特産の生わさびやわさび漬け、手打ちそばが味わえる。このたびのツアーでは、ご飯の上にカツオ節をたっぷりかけ、そこに新鮮なわさびをすりおろしていただく「さびめし」を実食。食後にはわさび田で収穫体験もさせてもらった。 ■【梅ヶ島くらぶ】 梅ヶ島産の良質な茶葉に数種類のスパイスをブレンドして、オリジナルのチャイティーバッグづくりを楽しめる体験工房。そのほかにも紅茶づくりやほうじ茶の焙煎体験、お好みの生豆をブレンド、直火で焙煎して、鮮度の高いハンドローストコーヒーが味わえる体験企画なども実施。工房のすぐそばを流れる安倍川の流木で、オブジェやコースター、電気スタンドなどを手作りするアート&DIY教室も不定期で開催中。 ■【湯の島館】 “武田信玄の隠し湯”としても有名な梅ヶ島温泉。そんな伝統ある温泉にちなんだ「風林火山の湯」と名付けられた4つの風呂が楽しめる旅館。さわやかな畳敷きの床に五右衛門風呂が特徴的な「風の湯」。檜の香りに包まれた空間で癒やしのひとときを過ごせる「林の湯」。囲炉裏があり、火を感じさせる趣の「火の湯」。淡い光が幻想的な、岩で作られた洞窟風呂「山の湯」。それぞれ違った雰囲気で、すべて貸切で利用できるのもうれしいポイントだ。地元食材をふんだんに使った創作料理も絶品! ■【黄金の湯】 市営の日帰り温泉施設。大浴場と石造りの露天風呂が楽しめるほか、隣接する黄金茶屋では食事や地場産品も堪能できる。屋外にはバーベキュー場やキャンプ場が併設されているほか、アクティビティのひとつとして四輪バギーツアーも実施。こちらでは、観光スポットとして知られる「赤水の滝」までのドライブが楽しめた。このほかにも、原木椎茸狩りやヤマメ釣りが楽しめるコースも用意されているので、気になる人はこれらに挑戦してみてはいかがだろう。 ■【静岡市歴史博物館】 2023年1月にグランドオープンした公立の歴史博物館。目玉となるのは、建設工事前の発掘調査で見つかった、長さ約33メートル、幅約2.7メートルにわたる「戦国時代末期の道と石垣の遺構」。そちらを間近で見学できるほか、2階・3階の展示室では、徳川家康とゆかりの深い駿府城下町、東西の大動脈・東海道、お茶の輸出で世界とつながった清水港などの歴史も学べるようになっている。展望ラウンジからは、駿府城巽櫓とともに富士山を眺められる。 ■【駿府城公園:紅葉山庭園/天守台発掘調査現場】[/SHEAD] 徳川家康が築城し、大御所として晩年を過ごした駿府城の城跡を整備した公園。復元された東御門・巽櫓、坤櫓をはじめ、園内には家康公の銅像などが残る。敷地内に設けられた「紅葉山庭園」は、駿河の国の名勝を表現した4つの庭で構成され、四季折々の風景を臨める。また、立札席では本山抹茶をはじめ、静岡市内産のさまざまなお茶を楽しむことができる。さらに、庭園内には数寄屋造りの建物があり、親会や食事会などで利用可能な茶室「雲海」と五畳半の小間「静月庵」も併設されている。今回のツアーでは解説付きで、天守台の発掘調査現場も見学させてもらった。 [SHEAD]【しずチカ茶店一茶】 しずチカ茶店一茶は、静岡市のお茶が持つ魅力を広くPRするため、静岡茶商工業協同組合が運営。組合加盟の茶商選りすぐりの銘茶60種をワンコイン500円(税込)で販売している。喫茶コーナーでは、市内茶産地の煎茶をはじめ、本山抹茶や和紅茶や和烏龍茶などを銘菓とともに味わうことができる。また、充実した本格茶葉を使用したテイクアウト茶も大人気。 こうしてすべてのスポットを巡り、JR静岡駅に帰ってきたところで参加者は解散……となったが、せっかく静岡市に来たからには「静岡おでん」を食べてから帰ろうと思い、「青葉おでん街」を覗いてみることに。 赤ちょうちんがずらりと並び、昭和の雰囲気が漂うレトロな横丁で、スタッフの方に勧めてもらった「愛ちゃん」というお店に入店。黒いスープと、青のり・だし粉をかけて食べる点が特徴的な熱々の「静岡おでん」をいただき、大満足のうちにツアーは終了した。 取材・文=ソムタム田井