道路の真ん中に立つ『ご神木』 「切ったらバチ当たる」は神さまを守りたい住民の思いが生んだ“噂”か【兵動大樹の今昔さんぽ】
1枚の写真から街を再発見!兵動大樹の今昔さんぽ。 大阪市北区中崎町は、若者からお年寄りまで、幅広い世代が楽しめる街。今回はそんな中崎町から、今と昔を見比べる旅にスタートします。 ■【動画】【今昔さんぽ】道路の真ん中に立つ『ご神木』 「切ったらバチ当たる」は神さまを守りたい住民の思いが生んだ“噂”か
■大きな木と社(やしろ)が写った写真 何をお参りしているの?
1960年(昭和35年)頃、撮影された写真には、大きな木の根元にある社(やしろ)と、お参りしている人たちが写っています。いったいどこで撮影され、何をお参りしているのでしょうか? 中崎町で写真を見てもらった人が、「『白龍さん』ってありますねん」と言います。 中崎町の路地にひっそりとたたずむ大きなイチョウ。そのたもとに「白龍大神(はくりゅうおおがみ)」と書かれた小さなお社がまつられていました。お社を管理している小池さんによると、こちらでまつられている神さまは「子どもの健康」「お金」「仕事」などあらゆることをかなえてくれる、中崎町を守ってくれる神さまだと言います。 そして写真に写っているのは「白龍大神」ではないそうで、「太融寺さんですわ。『龍王大神様』。位の高い龍神さんなんです」と教えてくれました。
■「切ったらバチ」神さまを守りたい住民の思いが生んだ噂か
教えてもらった場所へ行くと、確かにご神木のイチョウの木とお社がありました。 由来を聞くため、近くにある「太融寺」へ。太融寺は821年に弘法大師・空海によって開かれたと伝えられています。都会の喧騒の中にあって、ひとときの静寂を感じさせるスポットです。 太融寺の僧侶・氏本さんが詳しくお話してくれました。「龍王大神(りゅうおうおおかみ)」がある辺りは、江戸時代以前、太融寺の境内地でした。龍王大神は土地の神様で、いつの頃からか土地を守る神さまとしてまつられるようになったそうです。 道路拡張の際、「木を切ろうとした人が病気になった」という話がありますが、その噂は神さまを大事にまつっている地域の方が、木を切られないように話を作ったのではないかと氏本さんは言います。
■「道路に立つ大木」大阪市内中心部にいくつも存在
道路上や道路を避けるように立っている大木は、大阪市内中心部にいくつか存在しています。いずれも、地域に根ざした人びとの信仰心によって守られてきたのです。 龍王大神のご神木は樹齢約300年。倒れかかって支えをしてあります。しかし落ちた銀杏(ぎんなん)から生えてきた新たな木が育ってきていて、元のご神木がいずれ枯れてしまっても、新しい木が大きなご神木になって続いていくのではないかと氏本さんは話してくれました。
【兵動大樹さん】「日頃いかに街を注意して見ていないかというのが分かりました。大阪の都会のど真ん中に何本もご神木があります。近くを通った時にちょっとだけ手を合わすだけで、何かいいことあるかも」 (関西テレビ「newsランナー 兵動大樹の今昔さんぽ」 2024年10月25日 金曜日放送)