業務用コーヒー、高値でも引き合い強まるサステナブル製品 水素焙煎コーヒーや紙製カップで商機探るUCC
業務用コーヒー市場は19年の水準には届かないものの飲用杯数ベースで回復傾向にある。 金額ベースでは価格改定の浸透により飲用杯数を上回る伸びで推移しているとみられる。 川久保社長は「世の中がインフレ基調に入り、お取引先様が単なる値上げではなく付加価値を提案していくことがテーマ。当社は(全取引先の)約90%で値上げをさせていただき、お取引先様も値上げをされた」と振り返る。 外食産業全般でも同様の動きが起こったとみられ、ホテルや大手チェーンで顕著にみられるように客数が減る一方で客単価が増加する傾向にある。 外食産業の喫緊の課題には人手不足を挙げる。 「お取引先は本当に切実な思いで人手不足に悩まれている。これからは、人手の確保とともに人件費の高騰が立ちはだかる。人件費を上げざるをえない状況で、ますます企業間格差や店舗間格差が広がる」との見方を示す。 展示商談会では、人手不足解消に向けた提案として、コーヒーマシンやワンオペで提供できる食材などを多彩に提案していた。
なお、展示商談会内では紙容器アップサイクルの仕組みづくりにも挑戦。 村尾香織販売企画本部課長は「アップサイクルは単発で終わりがち。これを変えるべく今回、新たな挑戦として、展示商談会の中での資源の循環を実現させる取り組みを行った」と説明する。 会場には、使用済み飲料用紙容器の古紙入り紙糸を用いた布製品「choito」のエプロンを展示。 これは、昨年の展示商談会での試飲した使用済み紙カップを実証実験として回収・洗浄し、表面のプラスチック膜を分離除去した原料古紙を一部使用して紙糸をつくり、綿糸とともに布に織り上げたものとなる。日本製紙グループの日本紙通商と共同でアップサイクルした初めての事例となる。