【初回は本日放送】大河ドラマ「べらぼう」を3分で予習!蔦屋重三郎が財産の半分を没収された洒落本とは
1月5日午後8時、いよいよ2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」がスタート。初回15分拡大版が放送される。蔦屋重三郎は一般に広く知られているとは言い難い人物だが、番組の公式サイトでは、以下のように紹介されている。 日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き 時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物 “蔦重”こと蔦屋重三郎の波瀾(はらん)万丈の生涯。 笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマ! 蔦屋重三郎は、いかにして「日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築」いたのか、いつ、何が原因で「お上に目を付けられ」たのか。「日本一生徒数の多い社会講師」として知られる伊藤賀一氏が監修した『テーマ別だから政治も文化もつかめる 江戸時代』(編集・かみゆ歴史編集部)から、予習しておきたい。 *** 蔦屋重三郎は1750(寛延3)年、徳川9代将軍家重の治世に生まれ、11代将軍家斉の治世、1797(寛政9)年に没した。吉原で育ち、20代の時に、17世紀に誕生した吉原の案内書『吉原細見』を版元として出版・販売。喜多川歌麿や東洲斎写楽など、若手や無名の絵師を売り出して人気を集め、江戸一の版元に上り詰めた。 江戸時代には、絵の多い「草双紙(くさぞうし)」、会話を基調にした文章で江戸の遊里を舞台に男女の遊びを描いた短編小説「洒落(しゃれ)本」、洒落本を長編化した「人情本」、町人風俗を題材にし、おかしみのなかに教訓を盛り込んで社会を風刺した「談義本」、歴史を題材に勧善懲悪・因果応報を描いた長編小説「読本」など、さまざまなジャンルの本が出版された。 江戸時代初期には出版の中心は関西で、京都で学術書が、大坂で井原西鶴の『日本永代蔵』『好色一代男』などが出版されていた。江戸で出版が盛んになったのは寛延期以降。蔦屋重三郎もこのころに活躍し、『吉原細見』のみならず、さまざまなジャンルの本を出版した。