[山口県]「海響館」来夏までお別れ 改修できょうから休館 新施設に期待、観光影響懸念も 下関市
12月1日から大規模な改修工事のため長期休館に入る下関市あるかぽーとの市立水族館「海響館」で30日、閉館時間に合わせて同館のスタッフやイメージキャラクター「ペン太」が感謝の気持ちを込めながら来館者を見送った。再オープンは来年夏ごろの予定で、訪れた人たちはしばらく合えなくなる生き物たちの姿を楽しんでいた。 【写真】来年夏ごろに海響館にお目見えする予定のアシカ繁殖・展示施設のイメージ図 この日は約2130人が来館。観光客や市民らはイルカとアシカによる息の合ったショーや、水中を元気よく泳ぎ回るペンギンの姿などに見入った。午後5時半の閉館前から出口付近にスタッフらが立ち、帰って行く人たちをお見送り。市内から母親と来館した川棚小学校1年の福田あすかさん(7)は月2回は訪れるという大ファン。「イルカやスナメリに『また来るからね』とあいさつした。少し寂しいけれど、海響館のDVDを見て我慢する」と話し、ペン太とハイタッチして再会を誓った。 2001年4月の開館から23年が経過して老朽化が進んだ施設を大規模改修するとともに、従来はショーでしか見られなかったカリフォルニアアシカのためのアシカ繁殖・展示施設を屋外に整備。総事業費は約31億4400万円を見込む。来年秋には星野リゾート(長野県軽井沢町)が近くで建設を進めるリゾートホテルが開業する予定で、改修を終えた海響館との相乗効果も期待されている。 一方で長期間にわたって年間50万~60万人が訪れる人気観光施設が閉まることに対する懸念も。前田晋太郎市長は11月25日の定例会見で「前向きな閉館だが、多くの観光客の下関へ向かう気持ちが下がる可能性は否めない。観光関連の企業や施設、事業者には理解いただき、違う形で下関の魅力を演出できるよう(来年夏ごろまで)歯を食いしばってみんなで頑張っていきたい」と語った。 来館者を見送った後、立川利幸館長は「長い期間お越しいただけなくなる心苦しさもあるが、来年夏には皆さんを新たに迎えられるようしっかりと取り組む」と述べた。