ロッテ・種市篤暉「ゼロで抑えていくことが一番」絶対に負けられない一戦で勝利に導く投球を!
3位・ロッテは、敵地・エスコンフィールドで行っている2位・日本ハムとの「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージの2試合を終えて1勝1敗。絶対に負けられない3戦目、ロッテは種市篤暉が先発する。 ファイナルステージ進出に王手をかけて迎えた第2戦は安田尚憲、角中勝也の一発で2-0で試合終盤に進むも、7回に内野ゴロの間に失点し、9回に守護神・益田直也が万波中正に一発、10回に澤村拓一が浅間大基に適時打を浴びサヨナラ負け。ロッテに傾いた流れが、ホームで戦っている日本ハムに傾きつつある。 そんな中で、3戦目の先発を託された種市は球団を通じて「大事な一戦になりますが初回の入りから全力で、とにかくチームの勝利につながる投球をしたいと思います」と気合を入れた。 ◆ 自身初の規定投球回到達 種市は9月1日のソフトバンク戦、3回の投球中に右足の内転筋を痛め、『右足内転筋の筋損傷』と診断され離脱。9月20日のオイシックス戦で実戦復帰すると、9月30日の楽天戦では「負けられない戦いの中で5回で変わることになってしまいましたが、無失点で抑えることが出来たことは良かったと思います。怪我で離脱して、一軍の試合で投げるまでにサポートしてくれた方々に感謝したいです」と5回・87球を投げ、4被安打、6奪三振、2与四球、無失点に抑えた。 同日の楽天戦で自身初となる規定投球回に到達したが、「今年の初めに170回、180回投げたいと話していた中で、そこが悔しいところですね。もちろん規定投球回に行けたことは嬉しいですけど、イチプロ野球選手としてもっと上にいきたかったという思いが強いです」と全く満足しなかった。 ◆ バリエーション豊富なスライダー 故障前の8月25日のオリックス戦からシンカー軌道のスライダーを投げている。同日の0-0の6回二死二、三塁で紅林弘太郎を3ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた8球目のインコース137キロの縦に落ちるスライダーはシンカー気味に落ちた。 種市は「紅林選手のスライダーはすごく良かったです。曲げる意識がなかったので、逆にあの軌道で三振が取れるんだな」と手応え。続く9月1日のソフトバンク戦でも0-0の3回先頭の牧原大成に3ボール2ストライクから外角に134キロシンカー系縦に落ちるスライダーで空振り三振。種市は「良かったです。逆曲がりのスライダーですね」と話し、「ああいう軌道で投げられたらいいかなと思っています」と語った。 復帰戦となった9月30日の楽天戦、0-0の3回先頭の小郷裕哉を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた137キロシンカー系縦に落ちるスライダーに関しては「あれはそこまで変化していないですね。縦に落ちたという感じです」と振り返った。 現在スライダーは縦に落ちるスライダー、シンカー系に縦に落ちるスライダー、カウント球に投げるカーブ系の130キロ前半のスライダー、135キロ前後の横に大きく曲がるスライダーと何種類も投げている。場面によって投げ分けているのか聞くと、本人は「出力によって変化量が変わるという感じです」と教えてくれた。 ◆ CSに向けて 10月8日の取材でCSに向けて「相手のデータは見ていないですけど、自分の感覚をもっと今以上に上げるようにやっています」と話し、「ただただゼロでいけたら、負けることはないので、自分の仕事をしっかりしていきたいと思います」と意気込んでいた。 最後に同日の取材でCSでどんな投球を見せてくれるかと質問すると、「長いイニングを投げたいですけど、まずはゼロで短いイニングでもゼロで抑えていくことが一番だと僕は思っているので、初回から飛ばしていけるようにしたいなと思います」と決意。今季の日本ハム戦の対戦成績は悪く、エスコンフィールドでの相性は良いとは言えない。ただ、絶対に負けられない一戦で無双する種市を何度も見てきた。マリーンズファンの熱い声援を受け、打線の援護があるまでゼロに抑え続けて欲しい。 取材・文=岩下雄太
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