サッキを連想させた高倉監督の奇抜な采配。だが、それが裏目に出たなら…
良くも悪くも高倉監督の采配には驚かされた
なでしこジャパンの高倉監督は、世代交代を推し進めていった。だが東京五輪で準々決勝敗退と、無念にも結果は伴わなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)
男女ともに金メダルを目標に掲げて臨んだ東京五輪だった。 大志を抱くのは悪くない。しかし特に女子は世界の中での現在地を認識していれば、それは夢に近かった。 良くも悪くも高倉麻子監督の采配には驚かされた。実験を厭わず躊躇なく奇抜な決断を下していく姿は、アリーゴ・サッキを連想させた。 サッキは靴の製造会社で働きながら指導者資格を取得。当時セリエC1のパルマを率いてコッパ・イタリアでミランを破り、そのミランのオーナーだったシルビオ・ベルルスコーニに大抜擢された。現役実績のない監督がビッグクラブにやって来て、選手たちは指揮官がボールを蹴る姿を見て嘲笑したという。ところがこの叩き上げの監督が名手たちにハードワークを課し、斬新なプレッシング戦術を浸透させて欧州制覇。やがてイタリア代表監督として、1994年アメリカ・ワールドカップや1996年EUROを戦った。 サッキは
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