そばの郷2施設を1円で売却 南砺市、公共施設再編で 建設業者 営業所、資材置き場に
南砺市は利賀の「そばの郷(さと)」内で営業していた元そば店「ごっつお館」と「そば打ち館」を、市内の建設業「藤井組」に1円で売却する手続きに入った。公共施設再編の一環で、約4年前、地元と運営について協議したが、活用の道が見つからず休館していた。会社側は営業所や資材置き場としての利用を見込む。 ●利賀 4年前から休館 ごっつお館は木造平屋建て、そば打ち館は木造2階建てで、約1300平方メートルの土地も含めて1円で譲渡する。 市は約3年前、公共施設再編計画に基づき、2施設の売却を決めた。一般競争入札を受け付けたが、申し込み者がなく、1円で購入者を募集していた。8月に藤井組が購入を申し込んだ。市は9日開会の市議会10月会議に2施設を譲渡する議案を提出した。 そばの郷は旧利賀村が1989(平成元)年に整備した。両施設のほか、資料館やそば店「うまいもん館」「そば工房」など計6施設を運営していた。旧8町村が合併した2004年、南砺市がそばの郷の施設を引き継いだが、類似する施設や不採算施設の整理統合が求められる中、そばの郷も整理対象となった。 市などによると、利賀特産のそばを求める観光客は今も多いが、特に平日は複数店舗が営業を継続できるほど客が入らない状態が続いていたという。ごっつお館は、市の委託業者が採算が合わないことなどを理由に撤退したことが休館につながった。 そばの郷の施設のうち、うまいもん館とそば工房は市施設から個人営業に変わった。「いろり庵」も個人に払い下げられ、店舗営業を取りやめた。資料館は公民館に転用され、ごっつお館とそば打ち館が市施設のまま残っていた。 ●平・上平の義務学校 設計費886万円 南砺市議会10月会議は本会議を開き、一般会計補正予算案など6議案や昨年度決算などの認定10件、承認1件が提出された。予算案には、平・上平地域の義務教育学校の開校に向け、上平小を改修する実施設計費886万円を計上した。 田中幹夫市長は提出議案説明で、新年度予算編成で人口対策特別枠を創設したことに触れ「全庁挙げて効果的な事業に積極的かつ大胆に取り組む」と強調した。 昨年7月の豪雨で被災した砂子谷の急傾斜地と閑乗寺線を復旧する工事で、工法変更に伴い、契約額をそれぞれ増額する議案も提出された。