「データを見るのが好きなんですよね」DeNAを日本シリーズに導いたMVP捕手・戸柱恭孝が打倒ソフトバンクのカギを握る…CSで巨人を惑わせた配球
巨人打線を戸惑わせた配球
「もともとデータを見るのが好きなんですよね」 ベンチから自軍の投手のピッチング見ることが多かったベテランは、その経験に加えて、シーズン中の投球データを改めて分析。それがファイナルステージのチーム防御率1.21という投手陣を演出したのである。 「例えば第2戦に先発した大貫(晋一投手)なんかも対戦成績だったり、直近のデータと照らし合わせて、どうやって彼の良さを引き出せるか。アナリストやコーチの方とも相談しながら、巨人打線の特徴と合わせて考えました」 その結果が巨人打線を戸惑わせる配球に繋がっている。レギュラーシーズンでは全投球で9%ほどだったカットボールの割合をこの試合では96球中26球と27%まで増やし、15%の割合を占めたツーシームと共に組み立ての軸に持っていった。
カギを握るリリーフ陣
「結構、(シーズンでは)組んでいないピッチャーがいたので、そこは逆に利用していこうと。投げていない球種とか、コースとか。(投手の)何かが変わっている訳ではないので、キャッチャーが代わって投げる球種やコースが変わったというのがあったと思います」 戸柱がマスクを被ったことの利点をこう語るのは相川亮二ディフェンスチーフ兼バッテリーコーチだ。 この“戸柱効果”は大貫らの先発陣にも大きな変化をもたらしたが、日本シリーズに向けてのカギを握るのが、リリーフ陣への影響だろう。 シリーズで対戦するソフトバンクとDeNAは、レギュラーシーズンのカラーを見れば共に打力を軸にした攻撃型のチームであるのは間違いない。2番の牧秀悟内野手から佐野恵太外野手、タイラー・オースティン内野手に宮崎敏郎内野手と続くDeNAの中軸打線。第3戦からのパ・リーグ本拠地球場では指名打者に筒香嘉智外野手も先発で使える。一方、4番・山川穂高内野手の前後を近藤健介外野手、柳田悠岐外野手、栗原陵矢内野手らで固めるソフトバンク打線は、日本一と言える迫力を持つことは間違いない。 その打線を両軍の投手陣がどう抑えるか。戦いの行方はひとえにそこにかかってくるはずである。
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