大きく変わることは決して悪くはない!──新型ミニ・カントリーマン試乗記
快適なライドフィールとファン・トゥ・ドライブ
新型ミニ・カントリーマンのパワートレインは5種類。1.5リッターの直列3気筒ガソリンターボ、2.0リッターの直列4気筒ガソリンターボがチューン違いで2種類、2.0リッターの直列4気筒ディーゼルターボ、BEVだ。 試乗したミニ・カントリーマン S ALL4は、最高出力204psを発生するチューンの低い方の2.0リッター直4ガソリンターボを搭載する4駆モデルだ。 で、いままで経験したことのないMINIエクスペリエンスモードの操作に、あわわわわわと泡を食いながらスタートすることになる。ところが走り出してしばらくすると、平静を取り戻すことができた。 これは私がよく知っているクルマで、しかもかなりよくできたクルマだ。 同時に、最近乗ったクルマによく似ているという思いが湧いてくる。ミニ・カントリーマンは、なにに似ているのか? ハンドルを握りながらまず感じるのは、ゴーカート・フィーリングはかけらもない、ということだ。4本のサスペンションはゆったりと、けれども正確に動き、路面から伝わるはずのショックを巧みに緩和しながら、フラットな姿勢を保つ。 ゴーカート・フィーリングは失われたけれど、ハンドリングの正確性はしっかりと受け継がれ、ドライバーは快適なライドフィールとファン・トゥ・ドライブを享受することができる。 直4ガソリンターボと7段DCTの組み合わせは、文句つけようがない。極低回転域からリッチなトルクを供給してくれるから、街中でストップ&ゴーが続くような場面でもストレスを感じないし、回転を上げると抜けのよい音ともに伸びやかに回転を上げる。 パドルシフトは備わらないけれど、そんなものは不要と思えるほど、7段DCTはかゆいところに手が届くようにシフトしてくれる。たとえば、ちょっとした加速がほしいところでアクセルペダルを踏み込むと、ドライバーの気持ちを先読みしたかのように、キックダウンでギヤを落としてくれるのだ。