テレグラムCEO逮捕…Winny事件とも酷似?プラットフォームの責任どこまで?ひろゆき氏「Facebook詐欺広告のほうがよほどまずい」
■ユーザー10億人「テレグラム」が犯罪の温床に
このWinny事件で弁護士団の事務局長を務めていたのが壇俊光弁護士。今回のドゥロフCEOの逮捕についても異を唱える。まず現段階では「今は被疑者にとって不利な状況がすごく流れているので、軽々と逮捕の是非を判断するのはよくない」とした上で、「何かのツールを提供すると、便利なものであるほど悪用される。よくある議論で一番ダメなのは、『テレグラムが特別これだけ悪かった』『暗号通信が悪かった』など、提供者が悪いという話ばかりになること。Winnyの時もそうだった」と指摘した。 確かに犯罪はテレグラムだけで起きているわけでもない。国内であれば「LINE」を利用した犯罪例も少なくない。LINE公式アカウントを通して「闇バイト」を募集、詐欺・窃盗・強盗事件などにつながったこともあれば、マッチングサイトなどでコンタクトした相手をLINEに誘導、金銭をだまし取る「国際ロマンス詐欺」もある。また広告からLINE友達追加に誘導する「著名人なりすまし広告・投資詐欺」というケースも見られる。壇氏は「日本に置き換えた時に、LINEの社長が逮捕されるかという話。遠い国の話ではなく、日本でも現実に起こっていること」と、身近な問題であると訴えた。
■LINE、Facebookでも起きる犯罪
テレグラムとLINEで、犯罪における取り扱いの違いがあると、佐々木氏は指摘する。「テレグラムの技術の内容が問題視されているわけではない。テレグラムの中で犯罪が起きているのを知っておきながら、放置したということを重く見ている。警察が捜査の上で情報提供を求めた時、テレグラムは一切応じないが、LINEは犯罪をなくすために警察に対しては情報提供しますという体制を整えている。私は日本しか知らないが、そこに大きな違いがあるのでは」と述べた。一方、壇氏は「LINEもそれほど情報提供してくれないし、情報開示に応じてくれない。ログの保存期間も短いので結構問題になっている」と反論した。LINEの対応については、民事事件と刑事事件とでも差があるという指摘もあった。 インターネット掲示板「2ちゃんねる」も、犯罪に利用されたことがある。2012年12月、覚醒剤の販売に関する書き込みを削除せず、違法と知りながら放置した疑いで、創設者で当時管理人だったひろゆき氏が麻薬特例法違反の幇助として、書類送検されたこともある。後に不起訴処分にもなったが、ひろゆき氏もプラットフォーム運営者の立場がよくわかる。まず、今回の逮捕の妥当性については「基本的にネットワークや技術を使った人がいきなり逮捕されるのはよくないというのは同意だが、今回の件に関してはチャイルドポルノを放置したから逮捕された。チャイルドポルノに関してだけはめちゃくちゃ厳しいというのが世界中で広まっている。オンラインプラットフォームはアメリカ人が使うのでアメリカのルールに合わせている。テレグラムに関しては、フランスでチャイルドポルノを扱う部署が去年できて、その問い合わせに対して応じず無視をした」と問題点を挙げた。また、同じプラットフォームに関する犯罪としては「Facebookでは芸能人の詐欺広告があり、Facebookはそれで利益を上げている。そっちの方がよほどまずい。何でFacebookの日本の社長は逮捕されないのか不思議」とも述べた。